四谷三丁目の立ち食い寿司屋「たこや」へ行ってみた。

10月30日、四谷三丁目交差点・北東角にある立ち食い鮨屋「たこや」へ行って来ました。
所感、レビューなど少し書き置きます。



「たこや」はたこ焼き屋「築地銀だこ」を展開する会社、ホットランドの提供する新業態店舗です。
メニューは大変シンプルで、昼が「純江戸前ばらちらし」(980円)、夜が「大将のおまかせコース」(1,980円)のみという構成。
他はビールや日本酒、焼酎やソフトドリンク等、飲料類が注文できます。

今回は、純江戸前大将のおまかせコースをたべてみようと思い立ち、夜の訪問となりました。
大将のおまかせコースは、先付け、握り9貫、汁物、巻き寿司で構成されています。
おまかせのネタや昼のばらちらしの具は季節やその日の仕入れによって変動するそうです。
立ち食いですので、カウンターを介して職人と向かい合う形でした。

一先ず、飲み物にビールを注文して、準備完了。
なお、寿司屋ですので、温かいお茶を頼むことも可能です。お茶は勿論無料。

大ぶりの笹の葉を皿に見立てて使う塩梅で、なかなかに風情があります。
先付は「たこのぶつ切り」。大振りの蛸のぶつ切りが五つ提供されます。
そのままでも塩気が効いており、歯ごたえもそれなり。
付け合せに出された「梅肉和え」と絡めて食べると、梅の酸味が蛸の旨味を引き立て、食欲を増進させてくれました。

続いて握り寿司。
寿司の一貫を一つとするのか、二つとするのかは諸説ありますが、こちらでは1つ。
まぁ18個も寿司が出てきてしまうと食べる側も一苦労でしょうから、良しとしましょう。
一つ目は「小鰭」。
アッサリとした軽めの酢漬けに仕上げられており、コハダの風味が出ています。
江戸前は小鰭の酢の具合で、職人の仕事の巧拙を見るのがセオリーですが、
こちらは可もなく不可もなくというべきか。
二つ目は「白烏賊の塩昆布のせ」。
これはなかなかに良いお味。烏賊そのものに特筆すべきものはありませんが、
その上に塩昆布を乗せることで、烏賊の甘味が最大限に引き出されます。
単純に醤油で食べるよりも、いい仕上りで旨し。
三つ目は「鰹」。
秋口の戻り鰹らしく、脂ののった濃厚な味わい。
酢飯が隠れるくらい大振りに握ってあり、こってりとした味を舌全体で感じ取れます。
四つ目は「平目のごま醤油」。
一番人気の商品だそうです。平目は感触を楽しむものですから、
厚くなく適度に薄いほうが良いのですが、程よい切り具合。
ヒラメのコリッとした歯ごたえに淡泊な味わいが連なり、最後に胡麻醤油が香る。
よく計算された握りでした。
ここで口休めに「玉子焼き」が提供されます。
厚口に焼かれた玉子で、味は普通。
握り寿司の良き伴侶たるべき「生姜」は薄く切られたものが始めに提供され、
それが無くなると3mmくらいでしょうか厚めに切られたものが提供されました。
厚口のものは生姜のザクッとした感触が楽しめ、いい具合です。
五つ目は「赤貝」。
シコシコとした歯ざわりで、それなりに鮮度もありました。
六つ目は「ほたての貝柱」
これについては取り立てて言うことはありません。
七つ目は「秋刀魚」。
サンマ寿司といっても押し寿司ではなく握り寿司です。
薄切りにされた秋刀魚に生姜と白髪葱がのせられ、秋刀魚の旨みを引き立てます。
まずまずの美味しさ。
八つ目は「牡丹海老」。
目の前で海老の殻をむき、新鮮な身を提供してくれます。
濃厚な甘み、プリッとした感触が舌に残ります。
最終、九つ目は「トロマグロ」。
見たところ、大トロではなく中トロくらいでしょうか。
それでも濃厚な脂の旨味があり、じんわりと口内でほどけます。

ここでビールも飲み終わったため、温かいお茶をいただきました。
ちなみにビールはプレミアムモルツ一択のようです。
巻き寿司は「干瓢」との事で、山葵と胡麻を入れても良いか聞かれます。
どちらもお願いして、少し待っていると、巻き寿司とお吸い物が出てきました。
巻き寿司は細巻きで、通常の細巻きの半分くらいの量です。少し大振りの二個。
かんぴょうも、その店のわざの程度を知るには好適な代物なのですが、
「たこや」は薄口の味付けで、胡麻や山葵を入れるならもう少し濃い目でも良いように思われました。
お吸い物の具は「蛸のつみれ」。
流石は銀だこの系列店と言うべきか、蛸に始まり、蛸で終わります。
つみれ自体、多めに蛸が入り、ギュッとした歯ごたえが楽しめました。
吸い物自体は薄口で、締めには良い加減です。
なおさらに、干瓢の薄味が惜しい。

という事で、食事終了。
ビール代も合わせて締めて2500円程でした。
立ち食い寿司にしてはすこし高いかなとも思いますが、
荒木町を後背地にかかえる四谷三丁目という土地柄上、仕方のないものと言えましょう。
寿司のお味は、取り立てて物凄く美味しい、というものが有るわけでは無いですが、
それなりに仕事もされており、まぁ美味しいかなといった塩梅。
ただ少し気になるのは、成人男性が食事に、と考えるには少々量が少ないように思います。
巻き寿司がフルサイズの細巻きになると良い感じかなと思われます。

従前にもそういった意見が在ったのかは分かりませんが、
職人さん曰く、たっぷりと食べられるコースも10月31日から用意する予定であるとの事。
従前の先付に加え、握り寿司12個、間にはあん肝や干しアワビなど季節の品をはさみ、最後に巻き寿司と汁物で締めるというコースを提供予定とのことでした。
価格は2,980円とのことで、なかなかコストパフォーマンスも良さそうです。

また飲み会の後の締めなどにも店を利用できるように、握り寿司五個程度のメニューも検討中との事でした。
四ツ谷は場所柄飲み会も多い地ですから、こうした発想で地元に根づいてくれれば良いかなと思います。

ホットランド社による寿司屋の展開はこれが初めてで、
「たこや」は実験店という位置づけにあるかと思われますが、試行錯誤を重ねている事は店のメニューからも伺えます。
2012年9月の開業から2ヶ月。
個人的には開店初期にやっていたという「竹筒酒(清酒)はじめの一本80円サービス」なども復活させて欲しいところですが、その辺りも含め、今後に期待したいお店です。
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by katukiemusubu | 2012-10-30 22:24 | B級グルメ | Comments(0)
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