白亜の大断崖の懐へ!十二湖「日本キャニオン」の麓をゆく(U字谷内部の地図付き)

世界自然遺産白神山地の北方、青森県深浦町にある景勝地「十二湖」。
日本海からわずかに3km、標高300mに至る急傾斜の車道(通称:十二湖ライン)を登って行くと、深いブナ林の中に広がる湖沼群に出会うことが出来ます。
日本キャニオンはこの十二湖近傍に位置する大断崖です。
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(上記写真は深浦町観光協会HPからの引用です。)

総延長1kmにもわたって、凝灰岩の白い岩肌があらわになった岩壁は、アメリカのグランドキャニオンを思わせる迫力を有していることから「日本キャニオン」と名付けられました。
しかし残念ながらというべきでしょう、観光名所として用意された「キャニオン展望台」は大断崖から距離が離れすぎ、いまいちパッとしない観光地として知られております。
されど、もっと肉薄して見たらどうだろう。

という事で行って参りました。
キャニオン内部は大きなU字谷となっており、現実離れした風景が楽しめます。
一応、山道は通じているのですが、国土地理院の地形図にも記載がなく、一般に認められた道ではありません。
ネット上を検索していてもアクセスのための詳細な地図を見つける事が出来なかったので、参考までに山道を記載した暫定的な地形図を付しておきますが、ご利用はどうか自己責任で。
(当該地形図および本記事によって生じた如何なる損害についても、本サイトは一切の責任を負いません。)
途中に川を渡る渡渉点もあり、道迷いの危険もあります。
周辺の道に熟知したガイドさんがいらっしゃるので、そういった方を雇ってお出かけになることをお勧めします。




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暫定的な地形図。
国土地理院の電子地図WEBより引用した地図に、加工を施しております。
赤いラインが日本キャニオンのU字谷内部にいたる山道。
緑のラインはこの時歩いた一般の登山道(散策路)です。

①日本キャニオンの麓への山道は日暮橋からはじまります。
十二湖駅発「奥十二湖駐車場」行バスを「日暮橋」バス停で下車。
次の「日本キャニオン」バス停は「キャニオン展望台」への入り口なので注意が必要です。
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写真は日暮橋の南東角にある山道の入口。
右の看板をみますに、林野庁の管理道でしょうか。
ここへ入って行きます。

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左に濁川のせせらぎを聞きつつ、緑のトンネルを東へ。
しばらく林道を歩くと濁川の河川敷へ出られる細い道が現れます。
獣道というほど細くはありませんが、しかし道標があるわけでもありませんので、ご注意を。

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ここを通って濁川の河川敷へ出て、川を渡ります。
特に橋もありませんので、渡渉です。
私が出掛けた際(2013年8月)には水量は殆どありませんでしたが、「濁川」という名称から言って、上流で雨が降った際には、濁流となる危険があります。
その証拠に、流量に比して妙に河川敷が広くなっています。
つまりは最大時には河川敷を覆うほどの流量があるということであり、雨天時の行動は避けた方が良いでしょう。

上記の写真は上流側から下流をみたものですが、対岸の道はすこし下流側についています。
写真右側の若干植生が切れているところが、道の入口です。
上流側にまぎらわしい踏跡がありますので、これに惑わされない様、注意する必要があります。
踏跡とは異なり、結構はっきりとした道が付いていますので、よくよく観察することが大事です。
観察を怠ると道迷い遭難が誘発されかねません。

さて川を渡り、小さな沢の中、対岸の道を歩いて行くと、砂防堰堤がでてきます。
堰堤は西側から越えることが出来ます。
これを登ると、そこは白亜の大岩壁。日本キャニオンの東側岩壁です。
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②写真は砂防堰堤を越えたところ。
沢は二股にわかれていますが、中洲の左側(西側)に道がありますので、これを伝って日本キャニオンの西側岩壁に向かっていきます。

そして到達、U字谷内部。
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③眼前にせり出した西側岩壁は、太陽光を反射して白く輝き、青空によく映えます。

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岩壁の最大標高差は西側で80m、東側で150mほどでしょうか、天を衝くような威容です。
谷には、私たちのほかは誰もおらず、下から見上げる大断崖を堪能できました。

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④そして谷を奥へと進むと、徐々に狭まって行き・・・。
地図にもあるような、西側岩壁と東側岩壁のはざまにある樹林帯へと入っていきます。
もちろんここで日暮橋へ引き返しても良いのですが、今回は樹林帯の急登を抜けて影坂の池へと抜けるルートを選択しました。
写真中央に見える樹林、その近くまでゆくと小川の西側についた小道が見つかります。
この道も結構見つけづらく、よくよく注意して観察することが必要です。
見つけられなければ、来た道を引き返して日暮橋へと戻りましょう。

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横に小川を見ながら、道を進みます。
結構な急登で小川のせせらぎも滝の様です。
途中で写真の丸太橋を渡って、向かい側に渡ります。

急登はしばらく続きますが、そこはブナ林の中。
植生を楽しみながら進んでゆくと良いでしょう。
この小川、地図に表記がないので判然としませんが、影坂の池あたりが水源かも知れません。

そうこうする内に、道は一般の散策路に合流し、右側に⑤影坂の池を望むようになります。
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影坂の池を北端から。水面に映る対岸の木が、興趣を添えています。

つぎに現れるのが⑥小夜の池。
なぜか地形図に記載がなく、水色のペイントでだいたいの位置を示しております。
こちらの池、かなりのダークホースです。
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青池にも勝ろうかという驚異的な透明度。
浅葱色の水面から、池に沈んだ木々がどこまでも望めます。
人間、圧倒的な美に触れてしまうと、感動よりも恐怖を感じるといいますが、この時がまさしくそうでした。
あまりに綺麗に過ぎ、鳥肌が立ったほどです。

そのせいか、⑦日暮の池についた時にはホッとしました。
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うーむ、大きな池。安心感があります。

そして、⑧十二湖ビジターセンターに到着。
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途中、写真を撮りながら進んで一時間ほどの行程でした。

地図における道なき道をゆく、日本キャニオン内部ルート。
林道歩きにはじまり、川を渡渉し、白亜の大岩壁に囲まれたU字谷を抜けて、ブナ林のなかにある美しい湖沼群に至る、世界遺産周辺区域を満喫できる濃厚なトレイルです。
この記事を書いている当時(2014年10月)、あと半月程度で十二湖ラインは冬季封鎖となりますが、また雪が溶けたら、散策してみるのも面白いかも知れません。

ただ、決して一般的な道ではありませんので、できればガイドを依頼して、どうぞお気をつけて。
旅の参考となりましたら幸いです。
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by katukiemusubu | 2014-10-27 17:26 | 登山・トレッキング・温泉 | Comments(0)
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