ユリ熊嵐 Location Finding(聖地巡礼)

「少女革命ウテナ」で一世を風靡し、「輪るピングドラム」では数々の考察を呼び起こした幾原邦彦監督。
その幾原監督の最新作品「ユリ熊嵐」が平成27年(2015年)1月より放送されています。
第1話を見たところ、日比谷公園周辺の建物が多く登場していることに気がづき、ロケーションファインディング(聖地巡礼)へ出掛けて参りました。

「輪るピングドラム」ではわが居住地界隈(新宿東口や花園通り)が多く登場しておりましたが、
今回の「ユリ熊嵐」ではわが勤務地界隈(日比谷公園や虎ノ門)が多く登場しており、
幾原監督と生活圏がかぶっているのではないか、と思料する今日びこの頃。

昼休みを利用して、すばやくロケファイです。




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まずアニメをみて、ひと目で気がついたのは物語の舞台「嵐が丘学園」の外観でした。
鋭角に研ぎ澄まされた特徴的なファザード。
三角形の形状。
どう見ても日比谷公園内にある日比谷図書文化館(旧・都立日比谷図書館)です。
都立図書館の頃はいかめしい雰囲気でしたが、平成21年に千代田区へ移管。
民間(小学館集英社)に運営が委託され、開放的な図書館に変貌しています。

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現在の建物は、昭和42年に落成したもので見た目の通りのモダニズム建築。
廊下も至ってシンプルです。
一方、ユリ熊嵐の「嵐が丘学園」校舎内は円弧を描いた天井が印象的で、建築様式的にいえば交差リブ・ヴォールトを多用したゴシック様式。
明治41年に落成し、戦災で消失した初代図書館を意識したつくりなのでしょうか。

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一方、外観は忠実に再現されております。
「クマ警報!?」と目を疑った校舎側面も、スロープまで再現されててこの通り。

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椿輝紅羽(くれは)と泉乃純花(すみか)、百合園蜜子が「透明な嵐」に立ち向かうことを誓う校舎脇。
半月状につきだした特徴的な部屋は、現実にはライブラリーショップ&カフェです。
このカフェ、図書文化館内の本を持ち込むことが可能で、時折、私も利用します。
カフェ経営はプロントでコーヒー一杯270円。
なかなか美味し。

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煽りで見るとこんな具合です。
窓の配置なども結構似通っています。

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劇中、紅羽は純花を探して校内を駆けまわる訳ですが、それに即して外に出てみましょう。
こちらは校舎玄関。
中央の柱が消え、天井に波紋の装飾が施されるなど、アレンジが効いています。

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玄関から飛び出した後、紅羽は噴水のある池を巡り、キャンパスを周回するのですが、何故かここだけ日比谷公園ではありません。
こちらは文京区・礫川公園。
写真の方は文京区HP(http://www.city.bunkyo.lg.jp/bosai/midori/kuritukouen/kouen/rekisen.html)からの引用です。
三つに別れる滝の注ぎ口、左右逆ですが噴水のモニュメントなど、似ている点が確認されましょう。
礫川公園から日比谷公園まで、約4km。
キャンパス内だとすると、北海道大学もかくやというべき凄まじいサイズです。
日比谷公園には洋風の池がありませんから、恐らくは演出上の都合で礫川公園となったのでしょう。

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そして、紅羽は日比谷公園へと戻ってきます。
こちらは日比谷公会堂前。
そろそろ築90年。渋味のある建物です。
アニメのアングルを求めて、ロケファイをしていたのですが、まさか生えている木のコブの形まで再現していたとは驚きました。

そして紅羽は校舎へ戻り、純花と再会し、屋上を舞台に物語が進展していくのですが、
残念ながら日比谷図書文化館の屋上は関係者以外立入禁止で、巡礼は出来ません。

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ただ、特徴的な屋上の構造物などは現実にも存在しており、アニメでも同様の格子状のデザインを採用しています。

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また日比谷図書文化館の三つの角の内、玄関以外の二角に設けられている螺旋階段の形状もそっくり。
「嵐が丘学園」はゴシック様式のほか、アール・ヌーヴォー様式でも入っているのか、欄干に羽ばたく様な鳥の装飾が加えられています。

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背景の建物も忠実に再現されており、左右反転されておりますが、台形の屋根が特徴的な建物は日比谷公園の南にある中日新聞東京本社ビルです。

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屋上から見える建物も、手前右側、時計台のあるビルが日比谷公会堂(市政会館)、
奥左手より、ベージュの建物が帝国ホテル、真ん中のガラス張りの建物がNTT日比谷ビル、白と硝子のツートンカラーの建物がみずほ銀行本店です。
土地感覚ふくめ、緻密な再現です。

さて、こうして築き上げられた緻密な東京に、聳えるヒトとクマの「断絶の壁」。
丁寧な背景とファンタジーな設定が、観るものの感覚をグラグラと揺さぶってきます。
はたして「ユリ裁判」とは、ヒトとクマの関係とは。
そして「透明な嵐」とは。

人によっては三毛別を想起してしまうであろう、「ユリ熊嵐」というタイトルは一体どういう意味なのか。
まだまだ分からないことだらけの「ユリ熊嵐」ですが、ひとつ、このジェットコースター番組に乗ってみるのも悪くありますまい。
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by katukiemusubu | 2015-01-08 00:51 | 生活一般・酒類・ウイスキー | Comments(0)
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