八丈島旅行記2「ジャングルを越えてゆけ、火口内の地下深林(八丈富士登山とお鉢巡り・地下森林編)」

10時間半の船旅を経て、八丈島に到着。
それでは登山の時間です。
島の言葉で言う「西山」、八丈富士へ向かいます。

八丈富士を登り、まずはお鉢巡り。
続いて世界的にも珍しい地下森林を抜けて、中央火口丘の大池へ。
1万字超の長い記事ですが、お付き合いいただければ幸いです。

 →八丈島旅行記リンク 1「冬の太平洋を越えて!東海汽船 橘丸(往路)」
            2「ジャングルを越えてゆけ、火口内の地下深林(八丈富士登山・地下森林編)」(当記事)
            3「八丈富士登山 中央火口丘の湖沼群(湿地帯)+樫立向里温泉ふれあいの湯」
            4「滞在記 ホテル リード・アズーロ/八丈島焼酎 飲み比べレビュー」
            5「再び太平洋を越えて!東海汽船 橘丸(復路・伊豆諸島歴史紀行)」



八丈島全景。
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八丈島含め伊豆諸島は、火山列島です。
海底から隆起した火山群。
八丈島の場合、海底600mあたりから隆起しています。

地理的には富士箱根伊豆火山帯に分類。
いまも生きる活火山群です。
平成12年(2000年)に噴火し、5年間の全島避難を余儀なくされた三宅島などはその典型例。
つい昨年まで、竹芝客船ターミナルではガスマスクが売っておりました。

八丈島が特徴的なのは、単火山ではなく複数の火山が接続して出来た島嶼であることです。
「東山」と「西山」の接続。

写真左側のなだらかな山は、「東山」こと三原山。
10万年前から3700年ほど前まで、有史以前に活動していた古い火山です。
一方、その名の通り富士山のごとき美しい山容を見せる「西山」こと八丈富士。
こちらは有史以後も活動を繰り返している若い火山で、火山活動度ランクCに分類。
伊豆諸島最高峰でもあります。

「東山」「西山」の間には火山灰が降り積もった平野が広がり、標高は50m~100mほど。
ここに八丈島空港(旧帝国海軍の八丈島飛行場、海抜92m)をはじめ、裁判所や役場など島の中心施設が揃っています。
人口は約8,000人。
そのうち8割が「坂下」こと平野部に居住者しています。
複合火山の島だけあって、寄生火山も多く存在し、確認されているだけでも20超。
そのため地熱発電が盛んで、「東山」周辺には多くの温泉が湧き出ています。

面積は70平方km。
山手線の内側に匹敵する巨大さです。
さすがに歩きでは移動が困難。
そこでレンタサイクルを用いて、島を巡ることにしました。

船着場から送迎の車で、宿泊先へ。
チェックインの手続き後、荷物をお預けし、自転車をお借りしました。

今回借りた自転車「アズーロ号」。
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宿泊先のホテル「リード・アズーロ」のレンタルサイクルです。
リード・アズーロとは「紺碧の海」のこと。
レンタル料金は8時間1,500円。
車種は、パナソニックの電動アシスト自転車「ビビNX」ですね。
重量は25kg。

「山も登って、温泉も行きたい旨」を告げたらバッテリーをもう一つ貸してくれました。
「他のバッテリーも充電しておきますから、いつでも交換に来てください」とのこと。
うーん、優れたホスピタリティ!

さて、出発です。
せっかく離島に来たのですからシートゥサミットがしたいところ。
つまり、海抜0mからの登山です。
底土港へ向かいます。

9時50分、底土海水浴場に到着。
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ちょうど、橘丸が東京へ向けて出港したところでした。
海水にタッチし、山へ向かいます。
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平野部とはいえ、流石に火山島。
十数メートルていどの坂はざらにあります。

登山道入り口の看板。
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ここから標高545m地点までは舗装道が通じており、そこから本格的な登山道が始まります。
宿の方が「舗装道もけっこうな坂ですよ」と仰っていましたが、看板の説明をみて得心がいきました。

現在標高は80mほど。
つまり舗装道終点までの標高差465m。
それでいて道路の距離は4km(看板の項目1)。
465mを4,000mで登るのです。
すなわち116‰(パーミル)の線形。
道路構造令の特例限界120‰、ギリギリの勾配です。
いうなれば「釜トンネル」(上高地へ向かうためのトンネル)が延々続くような傾斜角。
早速、電動アシストを「ハイパワー」に切り替え、舗装道へ向かいます。

500mほど進んだころ。
・・・バッテリーが切れました。
まあ、そうよね。
普通の電動自転車が、限界傾斜を延々と走り続けることを想定している筈がないのです。
バッテリーを交換しようかと思いましたが、思い留まります。

このまま交換したとしても、また1kmも進まずに切れてしまう。
そうすると、疲労困憊して宿に戻ろうとした際に「頼れる杖」が無くなってしまう。
しかも宿までは結構な距離(4km)。
ここで「文明の利器」を使い潰すのは愚策であろう。
そこでバッテリー交換はせず、人力のみで登ることにしました。

問題は25kgになんなんとする自転車の重量。
普段乗っている自転車(9.8kg)とは訳が違います。
足に15キロの重りをつけて自転車を漕いでいる様なものです。
ぐぬぬ。

とはいえ。
急傾斜のなか、発進さえ出来てしまえば何とかなるものです。
休憩の最中、振り返れば離島ならではの絶景。
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同時に凄まじい傾斜をみて、ゲンナリもします。

独立峰ゆえ、上を見上げてもどこまで登ったのか、いまいち判然としません。
標高計を見ていても実感が湧かず。

しかし、平野部にいた際に見上げていた「東山」三原山。
これが「見上げる」ものではなく、「見渡す」ものとなったとき、標高の上昇を確信しました。
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これが。

こうなるのです。
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手元の標高計をみると高度520m。
登山道はもう少しです。
心なしか、山も近づいてきた様子。
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天候が曇り気味なのが気になる処です。

10時50分。
7合目、登山道ゲートに到着しました。
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登山口というよりは、門ですな。
高さは3mほどあるでしょうか。
物々しき柵。
野生化した山羊対策だそうでして、貴重な植生を荒らさせない様に設けられています。
掛けがね式の鍵を開け、ラッチを下げて、中へ。

登山道はこんな様子です。
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良く整備された階段と傾斜路。
なんでも1,280段あるそうな。
ひたすらに登ります。

グングンと上がっていく標高。
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広がる景色。

眼下には一面の海。
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まさに離島の山登り。

そして。
11時30分。
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最後の階段を越えて。
稜線上の最低鞍部へ至りました。

眼前に広がるパノラマ。
直径500m、周囲1.5kmを誇る大火口。
中央には火口丘が広がり、豊かな森を湛えています。
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登山を趣味としていると、様々な火山に登ることがあります。
阿蘇、白根、浅間、乗鞍、焼岳。
多くの火山に登り、多くの火口を見てきました。
しかし、こんな深い森をたたえた火口を私は知りません。

ふつう火口部は土がもろく、水はけが良過ぎるため、樹林が出来ることは皆無に等しいはずです。
しかし八丈島の気候は、亜熱帯。
黒潮のど真ん中にあるため、湿度にも恵まれ、奇跡的に樹林の生育が可能な環境にありました。
「地下深林」と称される場所があるとは聞いていましたが、これ程のものとは。
しばし、目を見開いて絶句しておりました。

この火口、環境法における最上級の保護規定、国立公園特別保護地区に指定されているだけのことはあります。
火口内の植物・鉱石の採取は国により厳重に禁止されており、これに反したものは刑事罰を受けることになります。

八丈富士の火口の深さは、最深部で200m。
本家の富士山なみです。
火口全体を称して「大穴」と言います。
最深部はマグマ溜まりが空洞になり、陥没してできた「小穴」と呼ばれるもの。
お鉢巡りで観察することができます。
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ところで。
この国立公園特別保護地区「八丈富士火口」ですが、実は中に入れるのです。
写真は国土地理院(電子国土Web)による八丈富士火口の地形図。
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地図中央を斜めに横切る黒の実線が、先程登ってきた1,280段の階段。
地図左側で円を描く黒の点線が、火口を一周できる「お鉢巡り登山道」です。
この二つが接している場所が、いま居る場所「最低鞍部」。
750の字もまぶしい、円形の穴が陥没孔「小穴」です。

最低鞍部から、西へ。
黒い点線で火口内へ降りられる道が記されています。
これが小穴縁にある神社「浅間神社」への参拝道です。

八丈富士は信仰の山でもありまして、海辺の玉石を火口内の浅間神社まで持って行く祈願法があります。
そのための礼拝の道なのです。
厳密に言えば自然公園法違反なのですが、法より古き慣習のためか、環境省もお目こぼしをくれている様です。

「浅間神社」へはもちろんご挨拶に伺うとして、目標はもう一つ。
国土地理院の地図に戻っていただくと、火口の真ん中に湖沼群が見て取れるものと思います。
これは中央火口丘の湿地植生地と呼ばれるものです。
水はけの良い火山の中にありながら、湿地を保ち、池までもがある。
この不思議な地形。
ここを訪れたいのです。

入るだけであれば、基本的には自然公園法違反ではありません。
ですが、一応事前に問い合わせをしてみました。
質問は二点。
その1、中央火口丘へ入っても宜しいか。
その2、中央火口丘へ至る何らかのルートはあるのでしょうか。

八丈島観光協会いわく、
その1「禁止はされていませんが、お勧めはしていません」
その2「中央火口丘への道は一応、有ります。しかし、相当な悪路です。ところどころに自然・人工の陥没孔があり、命の危険もあります」。
なんともはや。中々の難関の様です。
地形図を見るに、中央火口丘へ至るためには2つの崖線を越えなくてはなりません。
崖を越え、ジャングルを越え、そうしなくては辿り着けない場所なのです。
思案のしどころです。

正直言って、旅行前に地形図で検討をした時点では、行くことを殆ど断念していました。
どうにも崖線というか、地溝帯の突破が難しそうなのです。
一応、未踏破地用の装備を持ってきてはいたのですが、島に着いた時点でも、あまりやる気なし。
しかし、この未曾有の地下森林。火山にいだかれたジャングル。
火口の大パノラマを見た瞬間、俄然やる気が湧いてきました。

まずはお鉢巡りをしつつ、目的地を偵察です。
スタート!
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お鉢巡り中。
右には海。左には火口の大岩壁。
まさしく絶景です。

一周に要する累積標高差は+300mということで、結構なアップダウン。
周囲200kmに渡って、八丈富士より高い場所は存在しませんから、遮蔽物は一切なし。
ときおり、風が勢い良く吹いてきます。
完全な吹きさらし。
常に強風にさらされる時もあり、その場合にはお鉢巡りはお勧めできないものとなるでしょう。

火山ということもあり、土は大変柔らかく、時折、崩れを見かけました。
しかし、なんたる景色。
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眼下には太平洋。黒潮の流れがあり。

眼前には日本アルプスもかくや、という峰々が聳え立つ。
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何かに似ていると思ったら、木曽山脈の三ノ沢岳への縦走路ですな。
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写真は三ノ沢岳を左奥に見たもの。
けっこうな類似です。

稜線のむこうに見える、八丈小島(太平山)も良い塩梅。
あの山に登る人もいらっしゃるそうですが、植生が深すぎて地に足がつかず、樹木の上を行くことになるとか。

お鉢巡りも3分の1。
小穴のほとりに出ました。
八丈島はその形状から「ひょっこりひょうたん島」の舞台と称されますが、
この景色を見るとひょうたん島というより、ジュラシック・パークの如し。
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岩峰。
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陥没孔(小穴)。
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これが八丈富士。
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絶景に見とれつつ、歩を進めます。

小穴を超えると標高が上がり、中央火口丘が見渡せる様になりました。
真ん中にある大池。
中央火口丘湖沼群。
これが目的地です。
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稜線をテクテク歩く。
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眼前には三原山と太平洋。
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海に輝く光の筋。
これまた島らしい光景です。

そうこうする内に3分の2を過ぎ。
最高標高点、八丈富士の頂上が見えてきました。
写真中央、柱が立っている場所です。
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12時15分、山頂に到達。

山頂、伊豆諸島最高峰からの景色。
絶景かな、絶景かな!
全周囲画像をご覧いただきましょう。

南西。
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南東。
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北東。
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北西。
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複式火口ゆえの複雑な地形。中央火口丘(溶岩ドーム)と火口壁。
中央火口丘へ至るための最大の障壁(文字通り!)、地溝帯がはっきりと見て取れます。
影の沈む部分。落差は30mほどでしょうか。
溶岩流が通り過ぎたあとの様。
あそこを越えるのだ。どの様に昇降しようか。
ここまで来るとワクワクしてくるものです。

さて、火口へ降りるための入り口へ急ぎます。
先の地形図の通り、入り口は麓からの登山道が突き当たる最低鞍部、お鉢巡りのスタート地点にあります。

お鉢巡りについて。
一周歩いてみたところ、山頂(最高標高点)からスタート地点(最低鞍部)にかけての道が最も危険です。
おそらくは多くの人が通るためでしょう。
削れやすい火山質の砂礫がいよいよもって削れ、迷い道や3m程の小規模な崖が形成されています。
中央山岳に慣れている方ならば問題は少ないでしょうが、注意は必要です。
とはいえ、途中に山腹の穴をくぐれる場所があったり、面白い造形美を見ることが出来る道でもあります。

ということで最低鞍部に戻ってまいりました。
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時刻は12時30分。
モノクロームで恐縮ですが、天気はすっかり晴れ。
風は穏やか。
良いコンディションです。

火口への降り口は、この目の前。
写真のど真ん中。
植生が切れている部分です。

準備体操をしつつ、下降の準備を整えます。
外套のポケットには紙テープ。
未踏破の地を行く上での必需品です。

何の変哲もない紙テープ(183円)ですが、どう使うのか。
原生林の中では見通しがきかず、同じ場所を何度も行き来したり、道迷いの危険が多々あるものです。
そこで私の場合、30歩ごとに木の目立つところに紙テープを貼り付け目印にしています。
深い自然の中で、人工の色ほど目立つものはありません。
万が一方向を見失った際は、周囲30歩を探索して紙テープを発見し、位置が確認できる場所まで戻って行動を再開するのです。
帰路は紙テープを回収しますので、自然環境へのダメージも少ない。
いわば「菓子ではないヘンゼルとグレーテル方式」。

競技オリエンテーリングの運営をしていた際に覚えた手法であります。

火口内は磁気がおかしくなることも多いですが、左手にはコンパス(方位磁針)を装備。
脱落防止のため、余分なものは全てザック内に収納。
準備完了です。
では降下を開始します。

とはいえ、はじめは浅間神社へお参りに行きますから、ちゃんと道があります。
・・・まあ若干、細いですが。
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火口内の地面は、砂礫ばかりかと思いましたが、予想に反して堆積土が多くあります。
堆積土とは落ち葉の降り積もった柔らかい土。
なるほど、これならば水分が保たれ、深い森が生まれることでしょう。

しばらく下ると三叉路に出ました。
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右が浅間神社への道。
左が中央火口丘への道です。
眼前には火口内第一の丘陵が聳え立つ。

まずは右へ向かいます。
浅間神社への道は火口の岩壁沿いに、中央火口丘前の丘陵との間を歩いて行く道です。
火口壁と第一の丘陵に挟まれた、つまりは溝の中。

当然、水気が溜まりやすく、ところどころに湿地が出来ています。
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大きな湿地には木道が掛けられ、整備もしっかり。
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信仰の道がゆえか、あるいは東京都ならではの整備力か。
どちらにせよ有難いことです。

次第に深くなるシダをかき分けて。
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東に、高くなる火口壁を見上げて。
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分岐点から徒歩10分ほど。
浅間神社に到着しました。
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二つの鳥居をくぐり、神域へ。
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おお、伝承通りの丸石奉納。
大きな社殿があるわけではなく、写真にあるような小さな祠が点在しています。
大和的な「神社」というよりも琉球の「御嶽(うたき)」に近い様子。
参拝させていただき、健康安全を祈願致します。

神社の側には「小穴」が。
覗きこんで見ます。
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凄まじい深さ。
思わず身が竦みます。
穴底にはヤマグルマが群生しており、まさしく人の手の届かぬ原生林です。

神社を辞去。
同じく10分ほどで三叉路に戻ります。
時刻は13時ちょうど。
中央火口丘側を見ると・・・在るじゃない。道が!
しかも予想していた物より、遥かに整備されています。
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左奥には火口壁。右前には第一の丘陵。
これは良い。

意気揚々と進みだします。
ルートとしては右に見える丘陵を越え、かつて溶岩が通ったと思しき地溝の中へ降下。
しかるのちに中央火口丘側に登れる場所から地溝の崖を登り、丘上中央の湖沼群へ到達する。
そんな目論見です。

道があるならば話が早い。
方位磁針で確認したところ、方角も問題ありません。
なれば、さくさくと歩くべし。
やっほー!道だー!
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道だー!
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若干険しいが道だー!
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そして、道なりに火口内(中央火口丘前・第一)の丘陵を登ります。
3分ほどで登りきりました。
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随分と植物が密生していますが、頭を出すとこの景色。
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手前も崖、奥も崖。地溝帯は目の前です。
お鉢巡りからも見えていた、あの巨大な崖線。
足元に気をつけ、枝を伝いつたい、早速下っていきます。

地溝の中に降り立つ。
湿度高し。
明瞭な踏み跡あり。まあ、道でしょう。
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地溝から中央火口丘へ至る登高点をさがします。
うむ、道っぽい。
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さて、登りました。
これが、道かな・・・(両側切れ落ちているけど)。
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うん。
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どこだ、ここは。
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シダで隠れていますが、妙に人工的な穴です。
山中にあるという帝国海軍の防空壕かしらん。

・・・という訳で方向を失いました。
もちろん第一の丘陵を越えた時点で、紙テープは展開済。
30歩。30歩。踏み跡を辿り、
テープを順次回収しつつ、明確な測位地点へと戻ります。

迷い始めて5分。
写真でいう「うむ、道っぽい」と称していたあたり。
この辺りの踏み跡は明瞭です。
ここで周りを見渡し、考察します。

右みて、左みて、前みて、後ろみて、上みて。
おっ!
上をみたとき、ルート選択のミスに気が付きました。
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これは「うむ、道っぽい」の坂(というか崖)を登り詰めたところ。
地溝から中央火口丘へ乗り上げる、登りの最終段階です。

先ほどのルート取り。ここまでは問題ありませんでした。
しかし、この後。
私は登った方向でミスをしています。
私が進んだのは、左。
左側、植生が切れているのを踏み跡と見誤って進み、樹林帯へ紛れ込んでしまったのです。

しかし。
写真をよく御覧ください。
右側の樹木の間に、石柱があります。
この石柱、明確な人工物でして、「中央火口丘」と書いて有ります。
お鉢巡りの石柱と同じデザイン、同じフォントですから、観光協会設置のものでしょう。

つまり、登り切った直後に右折すれば良かったのです。
右に行ったのがこちら。
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なんと明瞭な道。おお。
コンパスで確認したところ、方角も正しい。
ここを進んで行きます。

丘陵を越え、地溝を越え。
石柱の示す通り、ついに中央火口丘へ到達しました。
ここから中央火口丘の、さらに丘上中央へ。
湿地植生地、湖沼群の大池を目指します。

周りを見渡すと、上から見ていた時と同じく、火口丘は概ね平地です。
無論、若干の高低はあります。
八丈島の強い風の影響か、木々の生育具合は微妙。
種類はイヌツゲでしょうか。
高さは1.5mほど。
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その灌木林の中に道が付けられていました。
道の幅40cm。高さ1m。
屈んで通れなくも無いですが、ほとんど匍匐前進です。
かなり辛い姿勢を強いられます。

耐え難くなって、灌木の合間から身体を出すとこんな具合。
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広がるイヌツゲの群れ。ブッシュ。
・・・まだまだ続くのね。

ともあれ根気よく藪こぎです。
地形図からいって、火口丘の端から湖沼群(丘の中央)までは、蛇行を含むとしても精々300mのはず。
ときおり身体を出すと、上空を悠然と飛ぶ鳥の姿。
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この時ばかりは「鳥になりたい」と思うもの。

そうこうして。
藪こぎを初めて15分。
ついに到着しました。
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目的地・中央火口丘湖沼群「大池」。
13時45分、到達。

→Next Issue 3「八丈富士登山 中央火口丘の湖沼群(湿地帯)+樫立向里温泉ふれあいの湯」
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by katukiemusubu | 2015-02-16 19:30 | 登山・トレッキング・温泉 | Comments(0)
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