旭酒造「獺祭50 初心」「等外」「等外23」 レビュー

感想評価(口コミ)を記しおきます。
巷では「レア物」とも称される「獺祭初心」「獺祭等外」「獺祭等外23」。
オークションでは随分な高値プレミアがついていますが、どんな品でしょうか。




獺祭 初心は精米歩合50%の純米酒。
実売価格は四合瓶(720ml)で1,404円でした。
獺祭ブランドとしてはかなり安価な部類です。

その作り方は定番品「獺祭純米大吟醸50」と同じ製法。
磨きも同じく50%ですので、通常であれば純米大吟醸酒と表記しても差し支えないものです。
では、普通の「純米大吟醸50」と何が違うのか。
定番品と「獺祭 初心」とでは、酒米の種類が異なるのです。

獺祭(だっさい)ブランドは通常、酒米に山田錦を100%使用しております。
一方「獺祭 初心」は80%程度は山田錦を使用しておりますが、残り20%程度はコシヒカリを使用。
生産農家の手違いで、コシヒカリの混入が生じたとのことですが、その影響で珍しいブレンド酒米となりました。

その味はというと、どうでしょう。
残念ながら「獺祭」らしさを欠いている、としか言いようの無い、残念なお酒になっていました。
不味くはないのですが、決して優良なお酒とまでは言うことが出来ません。

青リンゴを思わせる芳香、上立ち香は確かに獺祭そのものです。
しかし、味わいと基調香、これがいけない。

私は獺祭シリーズが好きでして、「純米大吟醸50」から「3割9分」、「2割3分」、「磨きその先へ」に至るまで、「遠心分離」「にごり酒」等も含めほぼ全ての銘柄を飲んだことがあります。
「純米大吟醸50」から「磨きその先へ」まで飲み比べをした際の感想は、 関連リンクに記しております。
どの銘柄にも共通して感じられたのは、伸びやかな吟醸香と豊かな味わいでした。
上立ち香が朗らかに広がり、基調香が明瞭に立ち、そのままに含み香が開く。
その軽妙な流れが実に好ましかったのです。
それでいて、少しずつ飲んでも楽しめるだけの豊かなコク(味わい)があることも印象的でした。

しかし、「獺祭 初心」はどうでしょう。
上立ち香は広がるものの、基調香は早期に萎み、含み香に至っては開く気配もない。
あきらかに頭打ちになっています。
コクは乏しく、これを「口当たりの良い、すっきりとした味わい」と評することも可能でしょうが、それほどの洗練もない。
すっきりと言うには雑味が出てしまっています。
はっきりいって、残念な出来栄えでした。
これが「獺祭」だとは思って欲しくない味わいです。

今回、獺祭初心が出るに至った経緯については獺祭蔵元日記のバックナンバーでみることが出来ます。
コシヒカリの混入については2万5,200リットル(一升瓶1.4万本分)の仕込みを終えた後に発覚したそうで、これを発売するという決断そのものは致し方ないことでしょう。
「純米大吟醸」という銘を外すのも、味わいを考えればやむなし。

問題はこれが「獺祭」というブランド名で発売されたということです。
獺祭らしさが十全に発揮されていない(と感じられる)日本酒を果たして「獺祭」と称すべきか、否か。
長年の獺祭ファンとしては、悩ましい清酒となりました。

旭酒造では和民(ワタミグループ)と提携し、
等外品の山田錦(いわゆる屑米)を用いた「獺祭 等外」を平成27年(2015年)4月7日より発売。
グループの店舗限定酒として、120mlで890円~(税抜き)の値付がなされています。

追記:
 「等外」を飲みました。
 香りは39に近く、芳醇さを感じさせますが、妙なエグみが有り、あまり綺麗なお酒とは申せません。

 続いて「等外23」も飲用。
 香りは通常の23に比べて開かず、ラベンダーを思わせる幽かな芳香。
 味わいは比較的しとやかなのですが、それでも雑味とは無縁でなく、価格を考えると悩ましい仕上りです。

従来の山田錦(等級品)のみを原材料とした純米大吟醸酒の生産から、徐々にシフトしつつある様にも思える「獺祭」。
平成25年(2013年)の枠外品「獺祭 試」(こちらは等級品の砕け米応用品)とは異なるアプローチです。
これがどういう効果をもたらすかは未知数ですが、はてさて。

関連リンク: 旭酒造 獺祭「純米大吟醸50」「磨き3割9分」「磨き2割3分」「磨きその先へ」飲み比べ
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by katukiemusubu | 2015-04-17 02:51 | 生活一般・酒類・ウイスキー | Comments(0)
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