小布施ワイナリー「サケ エロティック ヌメロシス」レビュー(小布施蔵)

感想と評価。



c0124076_22565832.jpg
<商品情報>
マグナムボトル(1.5L)での販売。

ライター・河合香織氏の言うところの「ウスケボーイズ」の一角、曽我彰彦氏の手になる
信州の老舗ワイナリー「小布施ワイナリー」製の日本酒です。

正式名称は「ソガ・ペール・エ・フィス・ル・サケ・エロティーク・ヌメロシス」と言います。
フランス語表記で「Soga pere et fils Le Sake Erotique Numero Six」。
直訳すれば「曽我一族による官能清酒 第六酵母」となりましょうか。

ここでいうウスケ、麻井宇介(浅井昭吾)氏とはメルシャンの職員。
軽井沢蒸溜所に勤務後、ワイン担当として、純国産ワインの商品化に取り組み、ついにこれを実現した人物です。
代表作は「シャトー・メルシャン 信州桔梗ケ原メルロー」。

氏の山梨(甲州)時代の代表的な弟子である「ウスケボーイズ」達のワインは現在、世界的にも高い評価を得ていますが、
師の教えの通り、徹底的に葡萄と土にこだわった作りは、透徹しており、それはこの日本酒のエチケットからも伺えます。
文字数は実に1千字超。
c0124076_22571021.jpg
米は全量・長野県産の美山錦を使用。
戦前の協会酵母を敢えて用いており、シス(6号)の名の通り、秋田・新政採種の協会6号酵母を使用。
生酛・完全無添加・純米生原酒というフルスペック。ウンチクに圧倒されます。

ノンフィクション「ウスケボーイズ」の話については、
柿崎ゆうじ監督の手により「ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち」の題名で映画化予定だとか。
カートエンターテイメントの製作・配給が予定されています。

曽我一族は信州の他、北海道にもワイナリーを有しており、
余市町のドメーヌ・タカヒコでは弟の曽我貴彦氏がワイン造りに取り組んでいます。

日本酒蔵そのものも戦時中(昭和17年、1942年)に一旦、酒造免許を取り上げられる等、波乱万丈。
果実酒のみの醸造免許となりましたが、戦後、国税庁・税務署へ嘆願を行い、
改めて清酒の醸造免許を取得して酒造りを続けてきました。

生産量は国内でもまれに見る極少数で、50石以下。
さて、そのお味はというと・・・。


<評価>

開栓1日目:
上立ち香は青りんごを想起させる、さっぱりとした風合い。
低温で置いておいた影響か、手で温めても、そこまで香りは開かない。
しかし、このお酒は、口に含んでからが本番である。
飲み込むと、あまりに濃密な酸味に目を見開く。
エスプレッソの様な凝縮感。
苺を思わせる甘酸っぱさ、これが素晴らしい加速感を伴って広がるのだ。
果実というよりも、ジャムの様な濃縮加減。
濃醇な基調香が、咥内いっぱいに花開き、それでは飽き足らず、鼻へと抜けていく。
なんという濃厚、なんという芳醇。
酸味は強烈だが、しつこくはなく、同心円を描くように収束してゆく。
柿を感じさせる蜜の様な甘味が残り、余韻は長い。

開栓3日目:
酸味と旨味と香味。三位一体の絶妙なバランス。
洋梨を思わせるフレッシュ&フルーティー。
とても新政酒造的というか、ヌメロシス、6号酵母である。

開栓15日目:
せっかくなので「マニアックな味わい」(エチケット裏面)を求めて、8月まで寝かせる。
蓋をひねると、炭酸ガスの抜ける音。まだまだ発酵し続けているのである。
さすがは生原酒。
味わいはといえば、若干の苦味を含んだ爽快な香味。新鮮なゴーヤ。


[PR]
by katukiemusubu | 2017-08-18 23:14 | 生活一般・酒類・ウイスキー | Comments(0)
<< 琥珀堂の「かに味噌コロッケ」 「打ち上げ花火、下から見るか?... >>