レビュー『暴れん坊 少納言』

今日の東京は、午後から曇りでした。
日が暮れる頃になると、雨が降ってきたのですが、
どうも雨が降り出すと、本が読みたくて仕方がなくなる習性があるので、
誘惑に抗しきれず、一先ずダッシュで近くの本屋へ。
個人的には、この習性を「晴耕雨読症候群」とよんでおります。

まぁ、それはともかく。
書店に入って、何買おうかとブラブラしていたら目に入ったのが、この一冊。
『暴れん坊 少納言』(ガムコミック)。
面白そうな予感がしたので、早速買ってみました。




平安時代の清少納言をメインヒロインにした、歴史パロティなのですが、これがなかなか読ませてくれる。
清少納言を28歳の妙齢の女性から16歳の少女に変えたあたり、作者の非凡さを感じさせてくれます。

清少納言というと、『枕草子』なわけですが、私個人からすると酒井順子氏による翻案『枕草子 remix』での印象が鮮烈です。
酒井さんは、清少納言を現代人的な感性をもった生き生きとした女性として表現していますが、『暴れん坊 少納言』の作者、かかし朝浩氏はこのイメージに更に少女性、みずみずしさを加えて描いているといえるでしょう。
これがまたハマリどころで、清少納言の周りの人物のデフォルメも相俟って、さわやかな平安王朝ライフを満喫できました。
もちろん、衣服や住居についても、作品の都合上史実どおりではありませんが、そんなに気にはなりませんでした。
なかなかのオススメ漫画です。
現在、3巻まででているそうなので、続刊も買ってみる予定です。

また、この作者氏、キャラクターの表情の表現がうまいです。
ヒロインの健康的な歯並びの使い方だとか、ヒロインをいじめる宰相の君の惑う顔とか。
もしや・・・と思って調べてみますと、やはり。
アダルトコミックを描いていらした時期がありました。
一般にアダルトコミックと言いますと、「エロまんがじゃないか」といって引かれてしまう向きがあるかとは思うんですが、私はそうは考えていません。
アダルトコミックは、その性質上、キャラクターの表情の描写や(体位を描く)構図に重きが置かれます。
そのため、行為の表現のみならず、上記のような視点に着目してみると、なかなか読み応えがあるものです。
そして、その方面から一般誌に出てきた人々は、概して表情の表現が上手いように感じます。
同じ驚きの表現でも、単なるびっくりした表情ではなく、その裏にひそむ感情まで示してみせるとか。
『パンプキン・シザーズ』シリーズの岩永亮太郎氏(アダルト時代は西成岩男)とかが好例ですね。
この作品のかかし朝浩氏も、その流れあってか上手で、表現をみる観点からも楽しめました。
その意味でも、オススメです。
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by katukiemusubu | 2008-10-07 22:33 | ブックレビュー・映画評 | Comments(0)
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