人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ポタフェスin秋葉原2012 短文雑感(感想レポート)

ファイナルオーディオデザインの覆面ヘッドホン登場などで盛り上がった10月20日の音展(該当記事)でしたが、
これに引き続き、21日、eイヤホン主催のイベント・ポタフェスに行って来ました。
訪問したブース毎に、写真と試聴レビューなど、所感を記し置きます。




〈JVC ビクター〉
ポタフェスin秋葉原2012 短文雑感(感想レポート)_c0124076_0492627.jpg

ビクターブースは、発表されたばかりの新型イヤホン、HA-FXZ200・HA-FXZ100をフィーチャー。
FXZ200及び100は、筐体内に三つのダイナミック型ドライバーユニットを搭載した珍しいモデルで、特に重低音ユニット“ストリームウーハー”の採用が売りの製品群です。
上級機のHA-FXZ200は真鍮をユニットベースに採用し、2.5万円程度を予定。
普及機のHA-FXZ100がアルミをユニットベースに採用し、1.8万円程度を予定しているそうです。
サブウーファーを搭載しているモデルらしく、低音の量感は圧倒的の一言。
ただ、中高音とのバランスがあまり宜しくなく、低音に高音が埋もれてしまうように聴こえました。
また響きのコントロールが上手くいっていないのか、低音の唸りが収束せずにいつまでも残留していた事が気がかりです。音に音が重なって飽和してしまう為、折角のカーボン振動板による解像感が減退している印象でした。
FXZ200の方がピアノの打鍵感を丁寧に拾っている印象で、その辺りは上級機といった処でしょうか。

〈ortofon オルトフォン〉
ポタフェスin秋葉原2012 短文雑感(感想レポート)_c0124076_050814.jpg

オルトフォンからはポータブルヘッドホンアンプMHd-Q7が出展。
思ったよりも小型な筐体で、ゆるやかに弧を描くフロントパネルが印象的です。
ステレオミニ入力・ステレオミニ出力で、最大で18時間の再生に対応。15Hz~100kHzまでの再生可能周波数帯域を持ちます。
11月初旬発売予定で、予想価格3.8万円。
同社はHd-Q7という据置ヘッドホンアンプを出していますが、これに似た音の出で、分離感に優れ、明るめの音調を持っています。
中音域がすこし大きめに聴こえますが、低音・高音共に充実した量が出ており、全体のバランスも良好です。
何より、音のクリアさ加減が素晴らしく、定位の正確性も感じられました。

〈Radius ラディウス〉
ポタフェスin秋葉原2012 短文雑感(感想レポート)_c0124076_0515155.jpg

ラディウスブースは、ドブルベ・ヌメルドゥの紅白新色の他、同社の新ブランド「new ear」が発売予定のヘッドホンアンプを二種類展示。
ポータブルヘッドホンアンプHP-PAF11Kと据置ヘッドホンアンプHP-SAF11Kです。
それぞれ1万円程度の価格帯、5万円程度の価格帯を想定し、2013年内の発売を検討しているとのこと。
これらアンプの面白い点は、圧縮音源補正技術を搭載し、スイッチひとつで圧縮音源で失われてしまう高音域の情報を補完することが出来る点です。
今回持っていったのが非圧縮音源、というよりもCDプレーヤー(D-E01)でしたので、ポータブル版のPAF11Kではその変化を感じられませんでしたが、据え置き版のSAF11Kでは、少しくその変化を感じられました。
HP-PAF11Kの出音は素直そのもの。特に色付けなくプレーヤーの出力を増幅しておりました。
HP-SAF11Kになりますと解像感の向上が知覚され、分離が明確になります。左右を分離した増幅回路(オペアンプはMUSES8920)を積んでいるそうで、その効果かも知れません。音場はそこまで変化有りませんでした。
今回の試作版では電源インレットが眼鏡型でしたが、製品版ではIEC3pに変更されるそうで、オーディオグレードの電源ケーブルなども使用可能になりそうです。SAF11Kは二つのヘッドホン出力端子(ステレオプラグ)を備え、それぞれの端子ごとにボリュームも備えていましたが、これが必要かどうかは人それぞれと申せましょう。
ポータブル・据置の双方ともにアルミ筐体で、剛性もしっかりと確保されていそうです。

〈株式会社 中村製作所〉
ポタフェスin秋葉原2012 短文雑感(感想レポート)_c0124076_0523688.jpg

また特に告知はなかったのですが、アイソレーショントランスの制作で知られる中村製作所が出展されていたので、同社のヘッドホンコンディショナーNIP-01を聴かせてもらいました。
カラーは五種類(銀・桃・紺・灰・黒)あり、印鑑大の小さな筐体にアイソレーショントランスが入っています。
アイソレーショントランスというのは絶縁トランスとも言いまして、ノイズを低減させる役割を持っております。基本的にはノイズの混入が許されない医療機器や高級オーディオ機器などに使われる代物です。
今回のModel NIP-01はこのアイソレーショントランスを左右両chに各一個、計二個搭載。デジタル音源のノイズ低減が図られています。
トランスを通すだけですので電源要らず、NIP-01の入力端子(ステレオミニプラグ)にプレーヤーからの出力を、出力端子にイヤホン・ヘッドホンのプラグを挿すだけで効果が実感できます。
私が使用していたのはCDプレーヤーでしたが、プレーヤーというものは音楽信号のピックアップ部からDA変換部、最終出力部までノイズが生じそうな部分は沢山です。ノイズが少なくなれば、SN比が向上し、見通しの良い音質が得られるのは理屈上当然ですが、NIP-01はその理屈を見事に体現してくれました。
音源には交響楽を持って行っていたのですが、楽器の一音一音がくっきりと際立つ印象。またホールの残響の小さなところまで捉えられているため、直挿し時に比べて音場も広く変化しました。
音量を上げても聞き苦しくなることがなくなり、耳への負担も少なくなりそうです。
価格は1万円を少し下回る程度を想定しており、10月末に発売予定との事。
Model NIP-01は、音質を変えるというよりもノイズ低減により使用機器の実力を引き出してくれる印象で、なかなか興味深い商品に思われました。
by katukiemusubu | 2012-10-22 00:57 | Ecouteur(ヘッドホン)
<< LUXMAN P-700uやら... 音展2012雑感ーKORGのD... >>