伊豆諸島最高峰・八丈富士の火口内。
中央火口丘の湖沼群(大池)に辿り着いた探検隊(1名編成)。 ひとまずは写真をどうぞ。 →八丈島旅行記リンク 1「冬の太平洋を越えて!東海汽船 橘丸(往路)」 2「ジャングルを越えてゆけ、火口内の地下深林(八丈富士登山・地下森林編)」 3「八丈富士登山 中央火口丘の湖沼群(湿地帯)+樫立向里温泉ふれあいの湯」(当記事) 4「滞在記 ホテル リード・アズーロ/八丈島焼酎 飲み比べレビュー」 5「再び太平洋を越えて!東海汽船 橘丸(復路・伊豆諸島歴史紀行)」 流石に湿地帯だけあって、周りは水苔ばかりです。 むしろ水苔が地面、というべきか。 豊かな水量をたたえており、一か所に留まっていると、踝辺りまでじわじわと沈んで行きます。 灌木はすっかり途絶え、見晴らしは良好。 流石に腰を下ろすわけにもいかず、歩き回りつつ、写真を撮ったり、池を眺めてみたり。 その内によく乾燥した広場を見つけたため、軽食を取ることにしました。 井村屋の「スポーツようかん」を食す。染みる味わい。 時刻は14時。 そろそろ戻ろうかしらん、と火口全周を見渡したところ、お鉢巡りを為さっている方が幾組か。 その内の一組を見ていると、どうもコチラをご覧になっている様です。 こちらを指さして、何やらかんやら。 ともあれ、手を振ってみます。 両手を挙げて、大きく手振り。 すると。 「うわぁぁ〜、人だぁーッ!」と火口中に響くような大音響。 相当ビックリさせてしまった様です。 以下、大声でのやりとり。 私 「人ですよーっ!」 相手「ヒト!?そこ行けるんですかー!」 私 「悪路ですが、なんとかー!」 相手「カルデラ湖あるんですねー!どうですかー!」 私 「とても!綺麗ですー!」 たしかに。 火山に登ってみたら、火口のド真ん中に人がいたというシチュエーション。 驚かない方が無理というものです。 この大声のやりとりで、他のお鉢巡りの方々にも気付かれたらしく。 1.5kmの円周のほうぼうから「おーい!」「こんにちはー!」とお声掛けいただきました。 その度に、声のする方へ身体を向けて、声を上げ手を振る探検隊(一名編成)。 中央火口丘が一つの舞台になったかの様です。 さすがに気分が高揚します。 はじめに声を掛けてくださった方々。 火口のダイナミズム。サイズ感。お分かりいただけるでしょうか。 拡大するとこんな具合です。 お二人のご様子。 そんなこんなで爽快な心持ち。 下山することにします。 一言、「御機嫌よう!」 と叫び、藪の中へと潜ります。 藪を漕ぎ、地溝帯を抜け、火口内の丘陵を越え、火口壁の側面へ。 道を辿り、紙テープを回収し、三叉路へ出ます。 進路、東。 中央火口丘から30分ほどで、最低鞍部に復帰しました。 稜線に抜け出たところ、ちょうどお鉢巡りを終えた一団とばったり。 「あなた、もしかして」 「ええ、先程はどうも」 などとお話しつつ、しばし休憩です。 14時45分、最低鞍部を出発。 勢い良く、階段を下っていきます。 15時05分、登山道ゲートに到着。 待たせたな、アズーロ号! 時刻はティータイム。 八丈富士周回道「鉢巻き道路」を経て、ジャージー牛を育てているという「ふれあい牧場」へ参ります。 ジェラートを食べるのです。 15時10分、「ふれあい牧場」に到着。 残念ながら、冬期はジェラートの販売を行っていないとの事。 ううむ、調査不足でした。 しかし絶景を観られたから良しとする。 ふれあい牧場では、ジャージー牛以外に肉牛を育てているとの事でした。 日照に優れた牧場でのびのび育てられた牛。 美味しそうであります。 ともあれ酪農の地、八丈島へ来たのに、乳製品に触れないのも勿体無い。 116‰の坂を下って、坂下地区のスーパーへ行くことにします。 15時30分出発。 レッツ。 ダイブ! 標高差500mを滑り降りる。 瞬く間に麓まで降りてきました。 時刻は15時45分。 あまりにスピードがつきすぎて、ブレーキから焦げた様な匂いがしたのは恐ろしいこと。 25kgの電動アシスト自転車の質量、下りでは脅威の威力です。 さすがに徐行しました。 その後。 八丈島空港を見学し。 地元の裁判所を眺め。 法務宿舎のロートル加減に感じ入り。 スーパーで「八丈島ジャージーバター」と「マカジキの島寿司」を購入し。 (双方とも実に美味!) 備前宰相こと宇喜多秀家卿の墓所に拝礼し。 (岡山城の石垣が奉納されている辺り、風雅!) 島の西岸、大賀郷地区の玉石垣(陣屋跡)に着いた頃にはすっかり西日が差していました。 時刻は16時40分。 温泉に行きたいところです。 しかし温泉は、現在地たる平野部(坂下地区)から200mも標高を上げた、「坂上」地区にしかありません。 もう日も暮れるというのに、そんな坂を行かねばならぬのか。 だが、島まで来て温泉に行かぬとは「温泉好き」の名が廃る。 べらぼうめ! ということで、坂上地区へ至る急坂「大坂」を登ることにしました。 自転車を引きひき、坂道を詰める。 途中、振り返って一枚。 まあ、名の通り。 八丈富士があんなにも遠い。 またもシートゥサミットです。 とはいえ、トワイライトサイクリングも乙なもの。 太平洋に沈む夕日は西岸ならではの絶景です。 ホテルの人が「心臓破り」と読んでいた大坂の急坂を、えっちらおっちら、登っていきます。 汗だくではありますが、「大坂トンネル」を越えて坂上の「樫立地区」に入りました。 八丈島は第二次世界大戦の当時、海軍を中心とした要塞化が進められたのですが、 その名残として各所に防空壕があったり、「防衛道路」という名の道があったりします。 70年前の公共工事の名残り。 17時10分、樫立向里温泉「ふれあいの湯」に到着しました。 湯賃は大変お安く、300円。都内銭湯価格の2/3です。 ふれあいの湯と言うだけあって、客層は地元の方が中心。 上代東国方言と上方言葉がクレオール化した「八丈方言」。 これを雅やかに操る地元の古老と共に露天風呂につかりつつ、お話。 八丈島に伝わる民話を教えていただきました。 良きふれあいであります。 温泉自体は黄褐色の濁り湯、強烈なナトリウム塩化物泉です。 消毒剤を入れているそうですが、それを感じさせぬ圧巻の成分量。 聞きしに勝る強塩泉と言えましょう。 源泉温度は57度。PH6.6。 火山ならではの熱さで、内湯42度、露天45度くらいかしらん。 特に露天風呂の豪快な掛け流しは素晴らしく、 人が入っていなくとも、湯船からダバダバと湯が溢れてきます。 総檜造りの内湯も渋く、濃厚な成分もあり、湯上がり時には身体が芯から温まる良い湯です。 さて、17時40分。 湯を上がるとすっかり夜。 12km離れた宿「リード・アズーロ」へ戻ることにします。 ついに自転車の予備バッテリーを投入。 離島の交通というと、夜は絶望的な場合が多いですが、八丈島は良好。 夜道でもこまめに街灯があり、安心です。 長らく、伊豆小笠原諸島が行政的に東京都であることが謎でしたが、今回の旅で合点がいきました。 離島の整備にはお金がかかる。 だからこそお金のある自治体の元にあることが必要なのです。 さて大坂のトンネルを抜けると、大賀郷の夜景が見えました。 夕焼けとは違った喜び。 車輪よ、あれが大賀郷の灯だ! 満天の星空を振り仰ぎながら、八丈島をひた走る。 大賀郷、三根、永郷へ。 19時05分、ホテル「リード・アズーロ」に到着です。 →Next Issue 4「滞在記 ホテル リード・アズーロ/八丈島焼酎 飲み比べレビュー」
by katukiemusubu
| 2015-02-16 20:44
| 登山・トレッキング・温泉
|
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