平成26年7月16日(水)下山後の記録。
温泉の訪問記と感想。 H26.7.15-16登山リンク 前編:穂高岳 西奥縦走 敗退記 後編:本記事 新穂高ロープウェイ、バスを乗り継ぎ。 10時ちょうど、平湯温泉バスターミナル(アルプス街道平湯)に到着です。 ![]() ロープウェイ内で再会した同宿者をお誘いして、温泉へ行くことにしました。 まずは徒歩2分の「ひらゆの森」へ。 岐阜県高山市、奥飛騨温泉郷の一つである平湯温泉郷は湧出量7,500L/分超。 豊かな湯量を誇る温泉です。 主な泉質は炭酸水素塩泉・塩化物泉。 しっとりとした感触と、軽快な湯上がり感が両立された魅力的な温泉となっています。 豊富な湯量のお陰で、温泉施設のほとんどは源泉掛け流し。 特に「ひらゆの森」は銭湯並みの価格(500円)で6つの源泉を8つの湯船で味わえます。 女性の場合は更に浴槽数が増え、湯船の数は実に10。 源泉やブレンド、加水の違いの影響で、乳白色のにごり湯もあれば、硫黄の香り漂う透明な湯もあり、 バリエーション豊か。 更にサウナ、湯上がり処も追加料金なく利用できて、大変オススメの温浴施設です。 「先ほどは有難うございます」という声に振り向いたら、朝、西穂山荘で話していた方が。 天気ばかりは致し方ありませんね、などと雑談しつつ。 こうして湯船で寛いでいると、つい4時間前まで北アルプス主稜線で烈風にさらされていたのが嘘の様。 これだけでも十分満足出来る施設なのですが、折角ですので、はしご湯。 バスターミナルから徒歩三分、平湯民俗館へ参ります。 ![]() ![]() こちらは全国的にも珍しい緑褐色の濁り湯。 写真の通り米澤穂信の小説・アニメ「氷菓」の舞台としても知られています。 ボランティアにより運営されており入浴料は寸志(任意)。 身体が芯まで温まる大変よい泉質で、これまた源泉掛け流し。 大きな露天風呂が一つ。湯船の端から景気良く湯が溢れています。 8時からの営業のため、気軽に朝風呂ができることも魅力的です。 300円を投入。 平湯の湯を出た時間、12時。 バスに乗って関東へ戻るという同宿者と別れ、ふたたびの一人旅。 昼食として、飛騨牛まんを飛騨ビール(穂高)と共にいただきます。 ![]() うまい! さて、時間はまだお昼。 もう少し湯めぐりが出来そうです。 地図を開いて、いまだ訪れたことのない温泉を検索。 すると有りました。 長野県松本市、上高地へ向かう唯一の手段「釜トンネル」の脇にある「卜伝ノ湯(ぼくでんのゆ)」。 その名の通り、剣豪塚原卜伝にまつわる伝承のある温泉です。 上高地から流れ下る梓川の岸壁に湯船があり、岩盤を削りとった構造から洞窟風呂と呼ばれています。 中の湯バス停で下車。 ![]() トンネル脇の小屋「中の湯売店」で状況を伺います。 売店の主、といいますか湯守がおっしゃるには「20分くらい待ってくれれば入れるよ」との事。 卜伝ノ湯は基本的には「中の湯温泉旅館」の客しか入れない秘湯で、一般客受入は空いている時のみ。 ラッキーな事でした。 30分毎の貸切制で、一人700円。 「是非に」とお願いして、入浴料を支払います。 このころには外界もすっかり雨模様。 「売店の中で待っていると良い」というお言葉に甘えて、待たせてもらいます。 15分ほど後。先客が出られた様で、湯守が湯小屋へ案内してくれました。 湯小屋の入り口。 ![]() 雨が本降りになっていたのですが「後から返してくれれば良いから」と傘を貸してくださいます。 至れりつくせり。 さて、湯小屋に入ります。 扉を開くと、眼前に広がるのは脱衣場。 ![]() そして正面のドアを開けると、洞窟風呂へ続く階段が現れます。 ![]() 濃厚な鉄の香りが鼻梁をつく。 成分分析表によれば単純温泉とのことですが、泉質に期待が高まります。 階段は川の岸壁をくり抜いて作られているのですが、途中、換気用の通気口があります。 そこから外を覗くと、雨により激流と化した梓川が目の前に。 ![]() ゴゴゴというより、ズドドドドドといった轟音が鳴り響き大迫力です。 この水量増加を見るに、今頃、穂高の主稜線は荒天でしょう。 階段の曲がり角を過ぎると、湯船が見えました。 浴室中を満たす湯気、荒々しい岩盤。 まさに洞窟風呂。躍動感在る彫り具合です。 ![]() 五人ばかりは入れましょうか。 予想より大きな湯船です。 決して狭くはないのですが、岩盤を掘ったものであるため圧迫感があります。 閉所恐怖症の方には辛いかも知れません。 また洞窟という特質上、若干暗めで、人によっては苦手と感ずることがあるかと思います。 鉄の香りを胸いっぱいに吸いつつ、掛け湯。 いそいそと湯船に浸かります。 ![]() 見た目からはドロリとした感触を想定していましたが、良い意味で期待を裏切るサラリとした質感。 黄土色に色付いた半透明の湯は、赤茶色の湯の花が舞い、一種独特の景観です。 湧出点が湯船の隅にあるのか、湯船の奥は踏み込み禁止。 すこし足を伸ばしてみるとガクンと深くなっている部分がありました。 湯量はそれほど多くない様子ですが、見事な析出物。 ![]() コンクリートで養生がなされているそうですが、基本的には掘ったままとのこと。 湯上がり感もベタつきはなく、かつ、鉄分やカルシウムの影響かぽかぽかと温まります。 温度はさほど高くない40度前後でしたから、温泉の効果なのでしょう。 30分を目一杯つかわせてもらい、湯小屋を出る。 ブラウンの色味ながら、有馬温泉の金泉(金の湯・濃厚芳醇)とも違った塩梅で、淡麗旨口。 濁りを帯び始めた梓川を眼下に見つつ、橋を渡り、湯守に傘をお返ししました。 帰りのバスが来るまで40分。 すっかり大雨になってしまい、上高地へ向かう車もごく少量。 湯守やトンネル警備の方々とお話ししつつ、時間を過ごしたのでした。 登山としては不完全燃焼に終わった7月15日山行。 この一週間後、槍ヶ岳日帰り(リンク先山行レポート)に挑むことになります。 ■
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by katukiemusubu
| 2015-05-18 22:33
| 登山・トレッキング・温泉
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