西奥縦走転進! ピラミッドピークからの撤退

平成26年(2014年)9月3日(水)から同4日(木)にかけての山行記録です。
暴風雨による前回の敗退から二ヶ月。
槍ヶ岳日帰りを果たし、再び西穂高岳から奥穂高岳への縦走を企図しました。

H26.9.3-9.4登山リンク
前編:本記事
後編:西穂山荘〜焼岳トレッキング




c0124076_7525330.jpg

9月3日14時。
穂高連峰は雲の中でした。
ロープウェイは雲を抜け、また雲へと入り、グイグイと標高を上げていきます。

c0124076_75032.jpg

ときおり雲海が見渡せ、これはこれで乙なものです。
心配なのは明日の天気。
山の天気予報によれば「晴れ」とのことでしたが、天気図を見るに低気圧発生の恐れがあります。
しかも日本海側にある高気圧とぶつかって停滞しそうな勢いです。

既にして賽は投げられている。
いまさら気にしても仕様がないので、先を急ぎます。
雨がちらつく千石尾根の森を抜け、西穂山荘(本日の宿泊先)へ。

c0124076_813361.jpg

15時40分、西穂山荘着(標高2,385m)。
穂高の主稜線はすっかり雲の中です。
雨が本降りでないことが慰めか。

宿泊手続きをすませ、部屋へ。
同室者は6名、ちょうど定員一杯の数でした。
9月初旬は繁忙期。
一つの布団を二人で分ける、すし詰めの山小屋を懸念していましたが、なんとか大丈夫の様です。

c0124076_881361.jpg

綺麗な洋式トイレが新設されていました。
外にでることなく閑所へ至ることが出来、安心感があります。
北アルプスの山小屋最大の蔵書を誇るという図書室で本を読む。

c0124076_8124719.jpg

西穂山荘の食事(夕食)。
相変わらずここの豚汁は美味しい!
お代わりなどしつつ、テーブルを囲んだ方々と山話に花を咲かせます。

わいのわいのしていたら、山小屋の方から天気の説明。
発達しつつあった低気圧はついに穂高へと至り、上高地を挟んだ蝶ヶ岳を含め、みな雲の中とのこと。
困りました。

c0124076_8183529.jpg

夕食後、談話室で清酒「大信州」を注文。
旨口の日本酒を舐め舐め、地図を開きルートを検討します。
そこに西穂山荘の主人・村上文俊氏がいらっしゃった為、氏とお話。
「明日、西奥縦走を考えているのですが、難しそうですね」
「ええ、高気圧が張り出してくれれば行けると思いますが、可能性は低いでしょう」

再びの悪天候。
悩ましいものです。
ひとまず早朝発で西穂独標(標高2,701m)まで進出し、様子を見ることにします。
21時、消灯時間とともに就寝。

9月4日、午前3時50分起床。
身支度を整え、ヘルメットを装着。
ヘッドランプを点灯し、4時20分ころ出発です。

c0124076_8324211.jpg

辺りは闇。
夜の褥に包まれつつ、灯りを頼りに歩みを進めます。

5時、独標前のピーク(お花畑)に到達。
白みゆく空に、独標のずんぐりとしたシルエットが浮かび上がりました。
c0124076_8545748.jpg

ここからは岩場の連続。
足元に注意を払って、先に進みます。

5時10分。西穂独標直下。
c0124076_8565461.jpg

のそのそと崖を登ります。
有効視界は40m。風速は体感で10m/秒を下回る程度。
素晴らしいとは言えないまでも、悪くないコンディションです。

5時20分、西穂独標に到達。
c0124076_859810.jpg

若干風速が上がり、有効視界は30m程度。
7月16日の様に、一面乳白色でほとんど展望が効かない、という程ではありません。
独標(第11峰)を越え、ピラミッドピーク(第8峰)まで進むことにしました。

稜線上を見ると、先行者が一名。
c0124076_944012.jpg

ぼんやりとした霧の中を、青い影が動いて行きます。

ピラミッドピークの直前で追いつきました。
c0124076_9669.jpg

「おはようございます!」とご挨拶。
いやぁ、微妙な天気ですなあ、などと話をしつつ、岩稜帯を越えて行きます。

5時45分、ピラミッドピーク(標高2,750m)に到着。
c0124076_911130.jpg

西穂高岳では西穂独標以降のピークに「第◯◯峰」という番号が振られているのですが、
これは西穂高岳山頂(第1峰)へ至るまでの越えるべきピーク数を示しています。
ピラミッドピークは第8峰。
あと7つ峰を乗り越せば、西穂高岳山頂(標高2,908m)という訳です。

されども天候は悪化。
風が強くなり、徐々に視界が閉ざされてきました。
有効視界20m、風速15m/秒ほど。
風に雨が混じり、低気圧の中にいることが伺えます。
先行者の方は「私はこの辺で引き返すことにします」ということで降りて行かれました。
前回に比べればマシですが、ハイマツ帯ならぬ岩稜帯で暴風に吹かれては、ひとたまりもありません。
第7峰まで進出し、様子をみることにしました。

しかし、残念ながら回復傾向は無し。
c0124076_924212.jpg

先ほどまで望めていた第8峰のピラミダルな山容もすっかり姿を消しました。

もはや、これまで。
これ以上の進出は蛮勇というものでしょう。
そして蛮勇は勇気ではありません。
西穂山荘への撤退を開始します。
強風時は岩にへばりつき、風の止んだ時を見計らって、一路西へ。

c0124076_9295348.jpg

第10峰のナイフリッジ(馬の背)を一気呵成に通過し。

c0124076_931356.jpg

第11峰、西穂独標を登り返し。

独標直前のピーク(お花畑)まで戻ったところで、先行者と再会しました。
c0124076_1093799.jpg

天気ばかりはどうしようもありませんね、等とお話しつつ、山荘へ戻る。

→後編「西奥縦走転進! 西穂山荘-焼岳トレッキング」へ続く
[PR]
by katukiemusubu | 2015-05-19 18:39 | 登山・トレッキング・温泉 | Comments(0)
<< 西奥縦走転進! 西穂山荘〜焼岳... 上高地周辺の温泉 湯めぐり 卜... >>