感想と評価。
<商品情報>平成27年(2015年)6月2日発売。
ニッカウヰスキーの送り出す、新たなブレンデッドウイスキーです。
容量700mlで、実売価格1,500円(税別)。
「ブラックニッカ」ブランドとしては最もアルコール度数が高く、45%となります。
「味わい深く、広がる余韻」をコンセプトとしたこのお酒は、新樽由来の原酒をキーモルトとして使用。
「新樽」とは文字通り、新しい木材で作った樽のことです。
シェリー樽やバーボン樽といった「使用済み樽」に比べ、味わいの数量、複雑さに乏しい傾向がありますが、
一方で、原木由来の成分(味・香り)がストレートに味わえるという利点があります。
本商品、ブラックニッカ Deep Blend は、その利点を活用しようと試みたウイスキーです。
濃厚で直線的な木の香り、苦味を含んだ密度感ある味わいが特徴的。
力強く、厚みがあるという点は好印象です。
しかし調和や複雑性という観点では微妙で、ほのかに接着剤臭も感じられ、ストレート(ニート)で飲むには不向きに思われます。
トワイスアップやロック、水割りにしてみると、味わいの固さも適度に解け、良い具合に思われました。
面白くはありますが、常飲するか、と問われると悩ましい仕上がりです。
良くも悪くも、若々しく直情的な印象。
<テイスティングノート>淡く琥珀がかった水色。晩秋の里山に訪れる朝を思わせる。
上立ち香は力強くウッディ。若々しいアルコール感と、存在感ある新樽香とを併せ持つ。
口当たりは滑らか。含むと、舌をチリチリと痺れさせる酒精の刺激。
新樽由来の原酒がキーモルトということもあって、若い。
基調香は燻られた木を思わせる。ピート香と樽香のマリアージュ。
主たる味わいはビターチョコレート。カカオ分は90%以上。
舌で転がすとグレーン由来の甘味と交わり、ほのかにバニラを感じさせる。
余韻は長い。主張ある含み香。ピーティな香り。
しかし付随臭(ハーシュ、いがらっぽい香り)も感じられ、ストレートで飲むとセメンダイン臭が鼻につく。
ロックや水割りで飲むと、際立つ苦味。適度にスモーキーフレーバーを楽しめる。
参考:
ウイスキー入門!サントリー・ニッカ 両社ラインナップ一覧表(種類・価格別)