スターバックスを日本に根付かせた伝説的企業、株式会社サザビーリーグの新たな一手。
それはNY(ニューヨーク)一の人気を誇る高級ハンバーガー店を日本に輸入する事でした。 11月13日の開業より3日。 シェイク・シャック(SHAKE SHACK)外苑いちょう並木店へ行って来ました。 感想・レビュー等(口コミ)を書き置きます。 <要旨> 1.混雑を避けるには20時以降の来店がオススメ。 2.バーガー類はカスタムが出来る。事前に考えておくと良い。 3.美味しさは(食べログ評価3.5くらいの)平均的なグルメバーガーショップとほぼ同様。 4.お勧めメニューはハンバーガーのShack Stack、アイスクリームのShack Attack、そしてビール。 5.ここでしか味わえないメニューを飲食し、出来れば卓球を楽しみ、そして帰るべし。 旅行会社H.I.Sの行ったニューヨークグルメランキング(2015年)で、第一位に輝いたシェイクシャック。 NY発祥のお店で、ポジションとしては「お手頃価格の高級バーガーチェーン」です。 ファーストフード以上、本格的グルメバーガー店以下の絶妙なライン。 アメリカを中心として63店舗を展開しており、 行列をつくらないことで知られるアメリカの人々が、 わざわざ行列をつくってまで買い求める高品質ハンバーガーショップとして話題を集めてきました。 今回、東アジア初進出として日本への出店を決定。 長らくスターバックス・コーヒー・ジャパンの親会社を務めたサザビーリーグ(アイビー株式会社)をパートナーとして、2020年までに国内10店舗の進出を目指しています。 第一号店の場所に選定されたのは明治神宮外苑。 サザビーリーグの展開するアフタヌーンティー・シェアードテラスの店舗を改装してオープンとなりました。 開店翌日、11月14日の昼に訪れてみると、神宮外苑いちょう並木いっぱいの大行列。 スタッフの方に伺うと待ち時間2時間強とのことで早々に退散しました。 話題が話題を呼び、開店当日は4時間待ちの大混雑だったとか。 流石に、そこまで長時間並んでハンバーガーを食べる趣味はありません。 そこで考えてみるに、一般に行列とは開店時間から日中にかけて増え、閉店時間が近づくにつれて減る傾向があります。 ディズニーリゾートのアトラクション待ち時間などを眺めていると、この傾向は顕著です。 傾向に即してみれば夜、しかも出来るだけ閉店近くに訪れれば良いではないか。 訊いてみるとシェイク・シャックの営業時間は11時から22時(年中無休)。 11月15日(日)閉店1時間前の21時に訪れることにしました。 これが大正解。 ご覧のとおり、外の待機列は10人程です。 店内の待ち列を勘案しても、せいぜい20人程。 キャストの方に伺うと「待ち時間は20分ほどです」との事で、早速、列に合流しました。 なお、この後も列は次々と減少し、21時40分ころ(閉店20分前)には待ち時間0分となっておりました。 踊るようなステップを刻みながら列を捌くスタッフさんの誘導に従い店内へ。 店内の待ち列(10人くらい)に接続すると、メニューが手渡されます。 メニュー表面。 ハンバーガーは580円から。ホットドックは480円から。ポテトは280円からの価格設定になっています。 ドリンクは230円からで、アイスクリームやシェイク等のデザート類は380円からです。 全て税抜きでの価格表示で、セットメニューはなく、単品を自由に組み合わせる方式となっています。 ほぼ米州並の価格設定。 最小構成であればホットドック+ポテト+ドリンクでも1,000円を下回ります。 想定客単価は1,300円(税込み1,404円)だとか。 過激な輸入マージンが取られていない事に好感を覚えました。 またメニューには書いてありませんが、店員さんに伺うとバーガー類はカスタマイズが可能との事。 野菜(レタス・トマト・オニオン・ピクルスのそれぞれ)については無料で増減が可能。 パティの追加は300円、ベーコンの追加は200円、チーズソースの追加は100円で対応しているという事でした。 もちろん苦手な具材やソースを抜いてもらうことも可能(料金は不変)です。 バーガーキングの「Have it Your Way」やウェンディーズを思わせるハンバーガーのカスタマイズ。 パティをダブルにして肉々しいバーガーを作ったり、野菜を増量してヘルシーなバーガーを試みたりと想像がふくらみます。 メニューの裏面には「今週のシェーキ」の内容を示したカレンダーが表記されています。 おおむね週替り。 500個限定の「外苑トートバッグ(5,000円)」など、グッズ販売もありました。 テキスタイルブランドnowarttとのコラボTシャツも興味深い。 オープンキッチンスタイルで、レジカウンターは四つ。 手際よくさばいてくれます。 流石は新進気鋭のお店、忙しい中にも笑顔を失わない姿勢が素晴らしい。 ジュウジュウという音にキッチンの奥を覗くと、次々とお肉が焼かれています。 しっかりと鉄板焼き。 こんがりとした肉の良い香りが待ち列まで漂ってきました。 クレジットカードの使用も可能。 会計を済ませると、写真の呼び出しベルが手渡され、ヴァイブレーションと音で完成を知らせてくれます。 ベルが鳴ったら、受け取りカウンターまで取りに行く形。 受け取り台の正面にはピカピカの生ビールサーバーがあり、シズル感があります。 ナイフ、フォーク、スプーン、マドラーや紙ナプキンはセルフサービスです。 砂糖やシロップ、ケチャップやマスタードも同様。 食後の片付け(ゴミ分別)もセルフサービスとなっています。 店内は、元々生えている樹木を上手く取り込んだつくりでオーガニックな内装です。 一人用カウンター席のほか、二人用テーブル席、四人用ボックスシートや六人用ベンチシートなど種類は盛り沢山。 屋内の他、屋外のテラスにも座席が設けられています。 屋外の席はテーブル上にストーブが設置されており、防寒対策もしっかり。 このあたりは流石、マディソン・スクエアの野外公園発祥であると思わせるものがあります。 席は注文の後、自分で確保する方式です。 屋外テラスには、卓球台が設けられており自由にプレイすることが出来ます。 料金は無料。 見ていると海外の集団が「Oh! ピンポンゲーム!」と歓声をあげ遊戯に興じておられました。 10分ほどで日本人の集団と交代し、譲り合い。美しい光景です。 開店3日目にして外国人比率は3割程度。 アメリカを本国とするチェーン店らしく、英米圏の方が多い印象です。 彼ら、彼女らも長時間並んで店に入る辺り、本国での人気の程が伺えます。 さて、ベルが鳴りました。 食事を受け取りに参りましょう。 今回注文したメニューは以上の如し。 ハンバーガー:Shack Stack(シャックスタック) ¥1,230 ビール:Shack Meister Ale(シャックマイスターエール) ¥830 デザート:Frozen Custard Shack Attack(フローズンカスタード シャックアタック) ¥650 締めて、税込み2,926円。 最も高いハンバーガーに、二番目に高いドリンク、同じく二番目に高いデザート。 初めてという事もあって奮発しました。 では、まずはハンバーガー「シャック・スタック」から。 SHACK STACKは、シェイクシャックこだわりのナチュラル・アンガス牛パティに加え、 ベジタブルパティのシュルーム(Shroom, ポートベローマッシュルームのチーズ包み揚げ)、 各種野菜にチーズ、オリジナルのシャックソースを加えた全部入りの豪華版ハンバーガーです。 あふれんばかりのボリューム。 それもそのはず、ただでさえボリューミーであるのに、野菜を全部増量でお願いしています。 写真は半分ほど食べ進めた時のものですが、それでも片手では収まりきらない程のサイズ感です。 包装紙ははじめから巻かれており、滴り落ちる肉汁で手が汚れるのを防いでくれます。 パティの重量は概ね4オンス(1/4LB(ポンド)・約113g)。 クアアイナ(1/3LB・約150g)と比較すると少し小さいですが、 マクドナルドやロッテリア(約45g)の3倍近く、モスバーガーの倍、 バーガーキングやウェンディーズ(4oz)と同様のサイズ感です。 アンガスビーフ100%のパティはミディアムの焼き加減。 球状に丸めた挽き肉を一枚一枚。手作業で鉄板に押し広げて肉汁をとじこめておりました。 柔らかく、それでいて肉の旨味をたっぷりと含んでおり、グルメバーガー然としています。 確かにファーストフード店に比べて肉質が良い。 パンとの相性も抜群です。 総じて、平均的なグルメバーガー店(食べログ星3.5くらい)に比肩する美味しさがあります。 加えて、素晴らしいのがShroomパティ。 写真の断面図、ミートパティの上に載っているのがシュルームパティです。 ポートベロ(ポットベラ)マッシュルームをプレスし、間に二種類のチーズを挟み込んだ上でフライ。 元々旨味成分をたっぷり含むポートベロマッシュルームですが、 はさみ揚げをされたことで旨味と香りが凝縮され、ミートパティにも負けぬ芳醇な美味しさを獲得しています。 肉の旨味に、茸の香味、チーズ(乳脂肪)のまろやかさに野菜の食感。 全てを受け入れるパンの自然な甘味とふわりとした舌触り。 5つの要素が渾然一体となった味わいは、まさにマリアージュの利点。 新感覚の美味しさで一食の価値があります。 Shack Burgar(シェイクバーガー、ミートパティのみ)や 'Shroom Burgar(シュルームバーガー、ベジタブルパティのみ、ベジタリアン向け)単品という手もありますが、 両者の味が一緒に楽しめるシェイクスタックが断然お勧めです。 ビール「シャック・マイスター・エール」のお味は如何でしょうか。 気づけば半分飲んでいます。 シェイク・シャックのビールは5種類あります。 うち生ビール(ドラフトビール)が2種類で瓶ビールが三種類。 生ビールはブルックリン・ブルワリー(NY)のものとサッポロ(日本)のものです。 18oz(18オンス、約530ml)からの販売で、 特にブルックリンブルワリーのものはシェイクシャックのオリジナルブレンド(特注品)です。 これが実に旨い! 爽やかなホップの苦味に、シトラスを思わせるすっきりとした香り。 濃厚なハンバーガーやデザートと好相性で、あっという間に飲み干してしまいました。 日本のビールで言えば、コエドビール(川越)の「伽羅」に似ていますが、苦味の立ち方に違いがあります。 「伽羅(きゃら)」も「シャックマイスターエール」もいずれも上手し。 個性的でありながら魅力的であり、すっかりメロメロかつベロンベロンになりました。 ブルックリン・ブルワリー(Brooklyn Brewery)は1988年創業のクラフトビールメーカーで、 その名の通りニューヨークはブルックリン地区に所在しています。 小規模なマイクロブルワリーでありながら、非常に質の高いビールを製造しており、アメリカにおけるクラフトビール(地ビール)ブームを牽引した存在です。 その人気のため、なかなか日本には入って来ず、 わずかに新宿の「ブルックリンパーラー」や三軒茶屋で飲めるくらいなものでした。 その希少なブルワリーのビールが常設店で、しかも生ビールで味わえるというのですから素晴らしい事です。 ビール好きの方にお勧め。ソフトドリンクのオリジナルレモネードも評判が良い様です。 最後にデザート「シャック・アタック」。 シェイク・シャックのデザートはアイスクリーム系が多く存在します。 その中でも名物的存在なのがConcretes(コンクリート)と呼ばれるアイス。 濃厚なフローズンカスタードをベースに、各種のトッピングをそれこそコンクリートの様にかき混ぜてつくるオリジナルデザートです。 注文できるフレーバーは4種類。 今回注文したShack Attack(シャック・アタック)に、 日本限定のThe Tokyo Edition(ザ・トーキョー・エディション)、 Strawberry Banana Crunch(ストロベリー・バナナ・クランチ)に、 Walk in The Park(ウォーク・イン・ザ・パーク)です。 その他に、自分でトッピングを組み立てる事も出来ます。 渋谷Minimal(ミニマル)のチョコレートを用いたコラボレーション品「東京エディション」も魅力的でしたが、今回はシャックアタックにしました。 なぜならばトッピングが優れてNY(ニューヨーク)的であるからです。 シャックアタックのトッピングで目を引くのは、 ドミニク・アンセル・ベーカリー(Dominiq Ansel Bakery)のミルクチョコレートポップコーンブラウニーと、 ヴァローナ(Valrhona)のチョコレートチャンク(塊チョコレート)とチョコレートスプリンクル(粒チョコレート)。 ドミニクアンセルベーカリーとはNYの行列のできるパン屋で、これまた行列の出来づらいアメリカで待ち時間2時間という大変な人気店です。 日本では表参道に支店があります。「クロナッツ」発祥の店として有名。 このパン屋さんがシェイク・シャックの為に作ったオリジナルブラウニーが食べられるだけでもレアリティが高いのですが、加えてヴァローナ。 ヴァローナはフランスの老舗チョコレートメーカーで、これまた貴重な存在です。 カカオ豆の農園にまでこだわった高品位のモノづくりをモットーとする会社で、 そのチョコレートタブレットは1gあたり10円の値がつきます。 そんな高級ショコラブランドと有名ベーカリーの特注品を贅沢にも混ぜ込んだ「シャック・アタック」。 数多のブランドがしのぎを削る国際都市、ニューヨークらしい一品です。 撹拌されチョコレート色に染まったフローズンカスタードの中に、ブラウニーの四角い塊やチョコレートの大きなかけらが見受けられようかと思います。 ブラウニーケーキの食感に、重層的なチョコレートの甘味。カスタードの濃密な口当たり。 単なるアイスという枠に留まらない斬新なデザートです。 空気をたっぷり含んでいるため、くちに入れるとホロホロと解けてゆきます。 若干溶けやすく、また粘り気が薄いのが難点か。 とはいえ美味。 そういった次第で三品を完飲完食しました。 日本に居ながらにして、ニューヨークのトレンドが味わえるシェイク・シャック。 なかなかに良質な飲食店でした。 <おまけ>トイレの話 SHAKE SHACKのトイレですが、流石は新店舗。 木を多用した広々とした空間で、掃除も行き届いています。 ところで気になったのはエアータオル(温風乾燥機)。 なんと英国・ダイソン(Dyson)社製なのです。 こんな物までつくっていたとは、驚き。
by katukiemusubu
| 2015-11-16 03:44
| B級グルメ
|
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