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温泉雑感「単純温泉は質が低いか?」

よくある温泉に関する誤解「単純温泉は質が低い」。
そんなことは御座いませんよ、という解説記事です。



温泉に関する誤解の一つに「単純温泉は質が低い」というものがあります。
しかし、一口に単純温泉(=溶存物質量1g/1kg以下で泉温25度以上の温泉)とは言っても、
国内には溶存物質総量日本最小の12mg=0.012g/1kgの大分明礬温泉(奥みょうばん山荘)から、
溶存物質総量1000mg=1g/1kgに迫る、ほとんど名称泉といったものまで千差万別です。

よくあるスーパー銭湯型の天然温泉施設では、地下1kmあたりからの汲み上げが多く、
溶存物質総量は200mg(0.2g)から300mg(0.3g)前後が多い印象です。

ここで通常の入浴剤を考えてみますと、
一般的な入浴剤は200Lの湯に対し20gを使用する(バスロマン等)ものが多く見受けられます。
これを溶存物質量に仕切りなおしますと、
200Lの湯の重量は、正確には温度によって変化しますが、これは捨象して約200kg。
約200kgの湯に対し20gの物質投入ですから、溶存物質量は0.1g/1kgということになります。

スーパー銭湯の天然温泉ですら、通常の入浴剤の2~3倍のスペックなのです。
単純温泉とは言え、ものによっては入浴剤の10倍近いスペックを有するものがあり、
量が少なく、質が低い、という批判は的外れであることが分かります。
単純温泉も、沸かし湯とは異なる、歴とした温泉なのです。

もちろん兵庫有馬温泉の様な超絶スペックの温泉
(例えば旅館「上大坊」使用源泉の溶存物質総量は62,000mg/1kg=一般的入浴剤の620倍です)
に比べれば量が少ない事は否めません。
しかし単純温泉もまた、家庭では得られない効能を味わえる上質な温泉であるのです。

なお、奥みょうばん温泉の名誉のために付言しておきますと、
この温泉の溶存物質総量が低いのはこれが造成泉であるためで、
「常時新鮮な湯を提供する」という温泉マニアのご主人らしい優れた湯使いでもって
充実感ある湯浴みが楽しめる施設です。
by katukiemusubu | 2015-12-03 13:56 | 登山・トレッキング・温泉
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