【レビュー】サントリー「響30年」・「響21年」

サントリーが世界に誇るブレンデッドウイスキー「響(ひびき)」。
現在展開されている響シリーズ全四種類のうち、上位二種の感想と評価を書き置きます。
※山崎25年・山崎18年のレビューはこちら
※白州25年・白州18年のレビューはこちら




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<レビュー>響30年

【スペック】
・アルコール度数43%、容量700ml。税抜価格125,000円。
・SUNTORYの定番商品の内、最も高価で最も酒齢の高いウイスキー。
・「山崎25年」「白州25年」と並んで三枚看板を構成するフラッグシップモデルである。
・年間生産量は数千本と言われており、カガミクリスタル謹製の30面デキャンタが抜群の存在感を醸す。
・キーモルトは山崎蒸溜所のホワイトオーク樽32年ものの原酒とされる。
・2016年には各150本限定で「響35年」(47%、容量700ml、税抜価格700,000円)が発売された。

【ティスティングノート】
・奥深い艶を湛える琥珀色。光によって見え方の変わる宝石の様。
・上立ち香はトースティ。出来たてのパンを思わせる甘さと香ばしさ。
・口に含むと、トロリとほどけて滑らかに広がる。
・マンゴーを思わせる果実味があるが、厚ぼったくはなくユニークな清涼感を持ち合わせている。
・舌で転がすと、ヴェールを剥いだ様に重層的な味わいが姿を現す。
・現れるのは白檀や伽羅、香木の香り。長熟ミズナラ樽の個性が圧倒的な存在感を持って立ち現れる。
・ミズナラ調の爆発の後、この香りは基調香となって残りつつも、次の味わいへと架橋される。
・バーボンの様な華やかさとコク深い甘さ、それがシェリー樽由来のコッテリとした味わいに繋がってゆく。
・それぞれの繋がりは信じられない程にスムースで、優れた変奏曲を思わせる。
・余韻は非常に長い。含み香としてピートの煙香と苦味が存在を示す。
・同時に甘さもあり、あくまでも爽やかさを保ちつつも、泰然と深みを増してゆく。
・甘味、苦味、香木的な香味、そして旨味。それぞれの味わいが余韻の中に周回する。
・最後に薔薇を連想させる気品ある香りがふわりと鼻を抜ける。


<レビュー>響21年

【スペック】
・アルコール度数43%、容量700ml。税抜価格25,000円。
・1本10万円を越えるフラグシップに対して、普及価格帯の頂点を為すラグジュアリーモデル。
・2017年にはISCの「シュプリーム チャンピオン スピリット」を受賞しウイスキーにとどまらず世界の蒸留酒の頂点に立った。
・もう一方のコンペティション、WWAでは「ワールドベスト・ブレンデッドウイスキー」部門最多となる5回の受賞を達成した。
・数あるジャパニーズウイスキーの中でもニッカの「竹鶴17年」と並び世界的な評価が非常に高いウイスキーといえる。
・キーモルトは山崎蒸溜所のシェリー樽原酒。独特の華やかさを持ち、単独でも世界一を受賞したことのある原酒である。
・容器は24面カットのガラスボトル。日本の四季、24節季をイメージしている。

【ティスティングノート】
・深みのある琥珀の水色。べっ甲を思わせる艶感。
・上立ち香は教科書のようなモルティ。焼きたてのビスケット。すこやかな甘味。
・しかし、奥行きを持った熟成木香が共に感じられ、これからの展開を期待させる。
・口当たりはあくまで軽やかで嫌味がない。液体であるのにコシのある、驚くべき感触。
・基調香は甘く、苦く、爽やかで、そして深い。
・レーズン、ライチ、伽羅の三者が調和する。甘酸っぱさと焦げ感、ふくよかでフルーティー。
・余韻は長い。胡椒を思わせるスパイシーさとクリームチーズの甘さが同居する。
・加水すると、パッションフルーツや柑橘類の香りが開き、甘さもジャムを連想させるコッテリとしたものになる。


【総評】
・1989年(平成元年)に創業90周年を記念して発売された「日本最高峰のブレンデッドウイスキー 響」。
・当時のチーフブレンダー稲富孝一氏は「ブラームスの交響曲第一番第四楽章」をイメージして初代響を作ったと言われています。
・ブラームスは主題となる音節を何度も回帰させながら音楽を構築していくところがあり、さながら「変奏曲(バリエーション)の大家」という側面があります。
・そしてウイスキー「響」もまた、一つの主題(サントリーのウイスキー)を保ちながらそこに多くの側面を見出し、楽しませてくれる銘酒です。
・初代響(現在の「響17年」)で見られた様々な要素のうち、ミズナラ樽の個性や超長期熟成原酒の奥深い味わいを徹底して追求し表現した「響30年」。
・山崎シェリー樽原酒の華やかでふくよかな個性やヘビータイプグレーン原酒のコクと重厚さ、香辛料にも似たスパイシーな香味が引き立つ「響21年」。
・ピート、ノンピート、木桶仕込み、直火蒸留、ランタン型、バルジ型、シェリー樽、ミズナラ樽、バーボン樽etc…。
・サントリーがこれまでに作り分けてきた様々な原酒の個性があたかもキャンバスを彩る絵の具の様に響き合う商品であり、作品であると申せましょう。

・両者に統一して感じられたのは「独特の清涼感/爽やかさ」。
・これは日本産のミズナラ樽で長期熟成した原酒にみられる「澄み切った味わい・余韻」に由来するものと思われます。
・2018年現在、定番商品としてミズナラ樽の長期熟成酒(年数10年以上)を投入できるのは世界でもサントリーただ一社のみ。
・一方の雄、ニッカウヰスキーは1970年代中盤から2000年代にかけてミズナラ樽の使用を休止していましたので、定番としての再投入には今しばらく時間がかかります。
・クラフトウイスキーの雄、イチローズモルト(秩父蒸溜所)はミズナラ樽を積極的に使用していますが、2008年操業のため、これまた今しばらくの時間がかかります。
・まさにサントリーのサントリーたる個性がつまった長期熟成ミズナラ樽。
・この個性を楽しめる「響」シリーズはやはり優れたウイスキーと申せましょう。


※現在展開されている響シリーズ
・「響 Japanese Harmony(ジャパニーズハーモニー)」43度、700ml。定価5,000円。
・「響 17年」43度、700ml。定価12,000円。
・「響 21年」43度、700ml。定価25,000円。
・「響 30年」43度、700ml。定価125,000円。
→「響 17年」については2018年9月に休売し、「Blender's Choice(ブレンダーズチョイス)」に代替予定です。

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by katukiemusubu | 2018-03-21 20:46 | 生活一般・酒類・ウイスキー | Comments(0)
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