サントリーの二大シングルモルトウイスキー「山崎」と「白州」。 白州シリーズ全四種類のうち、上位二種の感想と評価を書き置きます。 ※響30年・響21年のレビューはこちら。 ※山崎25年・山崎18年のレビューはこちら。 【スペック】 ・アルコール度数43%、容量700ml。税抜価格125,000円。 ・SUNTORYの定番商品の内、最も高価で二番目に酒齢の高いウイスキー。 ・同社のフラッグシップ「響30年」「山崎25年」「白州25年」にはシリアルナンバーが付されており、その希少性が伺える。 ・年間生産量は数百本〜一千本と言われており、外商部を除けば、都内の百貨店でもほぼ見かけることがない。 ・WWA2018ではWorld Best Single Malt Whiskyを受賞し、シングルモルトウイスキー部門の世界一に輝いた。 ・今回飲んだものはNo.8856。WWA2018出品酒はNo.8689であり、167番違いの本商品はおそらく同一ロットと思われる。 ・長期熟成した三種の原酒がキーモルトとなっている。 【ティスティングノート】 ・霧深い森の樹液を思わせる水色。紅黄色で涼やかな艶を湛えている。 ・上立ち香も甘く涼やか。青のニュアンス。桃やアプリコットを思わせる果実香がある。 ・同時にピリッとした煙香が見え隠れする。ほのかにピーティー。 ・口に含むと、イメージ通りのとろりとした口当たりに思わず頷く。 ・凝縮感に優れており、フレンチトーストや非加熱の蜂蜜を連想させる複雑な甘味と基調香を持つ。 ・その上にハーブやラベンダーを思わせる薬草様の味わいが重なり、良い意味でエグミがある。 ・舌で転がすと、ピート原酒の個性が立ち上がり、エグミは苦味へと変容する。 ・スパイシーな辛さ。したたかに舌を焼くが、これは放物線状に終息していく。 ・余韻は長く、卵黄を思わせる甘さが印象的。 ・バターやホイップクリームを思わせる乳脂肪感、燻製豆腐を思わせる発酵感。 ・含み香の存在感は抜群。飲み込んで一呼吸すると煙香と甘味が渾然一体したシガーめいた感触が楽しめる。 ・加水するとキレが際立つ。ミントとオレンジピール、花蜜のバスケット。 <レビュー>白州18年 【スペック】 ・アルコール度数43%、容量700ml。税抜価格25,000円。 ・1本10万円を越えるフラグシップに対して、普及価格帯の頂点を為すラグジュアリーモデル。 ・SWSCでは2015年と2016年の2年連続で最優秀金賞の栄誉に輝いた。 【ティスティングノート】 ・秋たけなわの紅葉を思わせる水色。鮮やかな黄金の煌めき。 ・上立ち香の始まりはミント。少しくゆらすと香草の香りにメロンの甘さが加わる。 ・樽香とスモーキー感が静かな存在感を保っており、冬の訪れをイメージさせる。 ・口に含むと、とろける様な滑らかな口当たりがある。釜炊きプリンの様。 ・基調となる味わいも甘く、プリンの口当たりは杏仁の甘さへとつながっていく。 ・半発酵茶(中国茶)やジャスミンティーを思わせる爽やかさを併せ持っている。 ・梨やメントールを連想させる基調香。甘く、非常に清潔で、しかし成熟している。 ・余韻は比較的長い。クリームチーズの様な発酵感が心地よい。 ・含み香はスモーキー。ピートのニュアンス。同時に針葉樹林を思わせる樽香がある。 ・加水するとより優しく柔らかくなる。青りんごやミルクキャラメル。 ・このクラスのお酒に対して変な話だが、ハイボールにしたくなる。 【総評】 ・甲斐駒ケ岳山麓、標高約700mに位置するサントリー白州蒸溜所。 ・高尾山よりも高く、東京スカイツリーの天辺よりもなお高い立地。 ・これだけの高地に位置する蒸溜所は世界的にも珍しく、他にはマルス信州蒸溜所(駒ヶ根高原・約800m)くらいなものでしょうか。 ・アカマツの原生林の中に開かれた蒸溜所は「森香る」という言葉に相応しい自然環境。 ・冷涼な環境であるため、パンチョン樽の様な大きな樽はあまり用いず、バーレル樽やホッグスヘッド樽といった小ぶりな樽での熟成がメインです。 ・貯蔵庫での温度・湿度調整は基本的に行わず、エンジェルズシェアの割合は年3%だとか。 ・白州蒸溜所のウイスキー製法の特徴としては「木桶仕込み」と「直火蒸留」が挙げられましょう。 ・北米産ダグラスファーで組まれた巨大木桶による木桶発酵。 ・1200度という高温で行うガス火の直火蒸留。 ・こうしたクラシカルとも思わせる製法と環境条件が合わさり、白州原酒は山崎原酒とは異なる個性を持ちえています。 ・コンペティションでは山崎の方が目立ちがちでしたが、その意味でも今回のWWA2018受賞は世界に白州の個性を示す良い機会となったのではないかと思われました。 ・白州の上位2種に共通した特徴は「発酵感」。 ・25年ではバターやホイップクリーム、燻製豆腐を思わせるフルボディの発酵感があり、18年ではクリームチーズを思わせるミディアムボディの発酵感がありました。 ・あまり他のウイスキーでは感じたことのないニュアンスで驚きましたが、それが特有の美味しさを構成しているのもまた事実。 ・白州12年についてもフロマージュ・ブランを思わせるライトボディの発酵感があり、これは白州全体に共通するポイントなのかも知れません。 ・静かで、それでいて馥郁たる味わいを持つ白州産ウイスキー。 ・優れたシングルモルトウイスキーの一つと申せましょう。
by katukiemusubu
| 2018-04-12 20:33
| 生活一般・酒類・ウイスキー
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