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【レビュー】 オクトモア 08.3 ~ 世界一ピートの効いたウイスキー ~

感想と評価。
Octomore 08.3 - World strongest heavily peated whisky - 。




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<スペック>
・2018年(平成30年)初春発売。世界18,000本限定。
・アルコール度数61.2%、容量700ml。参考小売価格22,000円(税抜)。
・製造元はスコットランド・アイラ島の西部に位置するブルックラディ(Bruichladdich)蒸溜所です。
・輸入元はレミーコアントロージャパン株式会社。

・本商品は同蒸溜所の手がけるコンセプチュアルなシングルモルトウイスキー・シリーズ、オクトモア(Octomore)の一つ。
・オクトモアとはゲール語(ケルト語)で「偉大なる八番手」を意味する言葉です。
・ウイスキーの原料となる大麦農園の名前であり、かつブルイックラディを含むアイラ島現存8蒸溜所を意識した名称と言えます。

・特徴的な商品名は「エディションナンバー(今回であれば08).特徴(大麦産地など)」を表記したものです。
・今回であれば08.3、第8エディションの3=アイラ島大麦(バーレイ)100%使用バージョン、という意味になります。
・特徴については「.1」がスコティッシュ・バーレイ、「.2」がカスクストレングス、「.3」がアイラ・バーレイ、「.4」が樽に趣向を凝らしたものだったと記憶しています。

・本商品は5年熟成であり、ノン・チルフィルタード、着色料無添加、シングルファーム。
・原酒の55%がアメリカンオーク・バーボン樽熟成、残りの45%がヨーロピアンオーク・ワイン樽熟成です。

・何よりもこのウイスキーを特徴づけるのは、フェノール値309.1ppmという世界最強・過去最高のピーティさでしょう。
・もちろん、このフェノール値は蒸留前のものですが、通常のヘビーピートが50ppm、非常に強いもので100ppm程度であることを勘案すると、史上類を見ないスーパー・ヘビリーピーテッド・ウイスキーということは間違いありません。
・メーカー自身も究極のアイラ・オクトモアであることを自認する、その味わいはと言うと・・・。

<寸評>
・世界最高のピーテッド・モルトのもたらす痺れるほどの煙香とフルーティーな味わい。
・それぞれの性質を麦芽由来の甘さが下支えしており、コントラストが際立ちながらも纏まりがある。
・アイラ・ウイスキーらしい潮気や香りも存在しており、テロワールの影響が伺える。
・力強く、奥深い。けっして野卑ではなく洗練された味わいのウイスキー。

<テイスティングノート>
・イエローダイヤモンドを思わせる黄金の水色。太陽の光のようにあたたかい。
・上立ち香は、トーストしたバケットを思わせる麦の甘さが特徴的。
・そこに溶かしたバターの様なこってりとした旨味と、ウニを思わせる潮気と香味が同居している。
・口当たりは存在感抜群。口に含んだ途端、痺れるほどのスモーキーフレーバーが爆発する。
・基調香は当然ながら煙香。そして奥深い潮気、ヨード香。
・山椒や四川花椒を思わせるスパイシーな爽やかさ。同時に伸びやかで神秘的な味わいが口内を満たす。
・味わいのあまりの色濃さに圧倒されるが、それが過ぎ去り、二口目を飲むとその味はより深みを増す。
・カラメルを思わせる焦げ感と重心の低い甘味。
・そこにキウイやオレンジを思わせる果実味が加わり、上立ち香にみられたモルティな甘さも現れる。
・それぞれが油彩を思わせる存在感をもっているが、お互いを引き立てあい、見事な一枚の絵を演出している。
・余韻は長い。蹴り放ったラグビーボールの様に放物線を描き、徐々に甘味を増してゆく。
・上質なプリンを連想させるコク深い甘さ。
・含み香は焦がした樽香が中心となり、カカオやコーヒーを思わせるもの。穏やかに減衰してゆく。
・加水するとフルーティーさと苦味が際立つ。
・チェリーパイの様な上立ち香、さくらんぼの香味、シナモンの甘い余韻。

by katukiemusubu | 2018-06-21 13:50 | 生活一般・酒類・ウイスキー
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