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少女歌劇レヴュースタァライト 聖地巡礼(Location Finding)

少女☆歌劇 レヴュースタァライトのロケ地について記します。
考察や感想、舞台探訪のご参考にどうぞ。

【更新履歴】
8月3日投稿:1話、2話、3話、4話の聖地巡礼に関して情報を記載しました。
8月10日追記:5話の聖翔大劇場について宝塚大劇場との関係を追記しました。
8月17日追記:6話の課外活動(練習)場所の情報、香子の動線について追記しました。
9月8日追記:8話のロンドン編について追記しました。
9月14日追記:10話の東京散策について追記しました。




物語の舞台"聖翔音楽学園"のモデル:津田塾大学小平キャンパス 周辺
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主校舎のモチーフは、津田塾大学(小平キャンパス)の本館「ハーツホン・ホール」です。
設計は早稲田大学大隈講堂なども手がけた佐藤功一。昭和6年に竣工した帝冠様式の校舎です。
劇中では校舎の内装や、キャンパス内の風景もよく再現されています。
通常時は大学関係者以外の立ち入りは禁止されていますが、毎年秋の津田塾祭の際には一般入構も可能です。
注記:津田塾祭へお出かけの際は、津田塾祭実行委員会による注意事項の告知 をご覧の上でお出かけください。
津田塾公式サイトでは建築のあらまし地下室などについて紹介されています。

構内の噴水や井戸端会議の舞台となる東屋などは、
同大学のメディアスタディーズ・コースの運営する学生メディア
「ツダホン」Twitterアカウントの聖地巡礼投稿から見ることが出来ます。
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また大学近くの景色として、作品には小平市中央公園の様子が取り上げられています。
第6話で双葉とクロディーヌがタップダンスの練習をしているのは小平中央公園の「じゃぶじゃぶ池」の前
五角形の池の形状が印象的な施設で、津田塾大学(聖翔音楽学園)からの距離も約200mと程近い場所にあります。

聖翔大劇場:宝塚大劇場(2014年改装前)
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歌劇スタァライトの演じられる舞台「聖翔大劇場」のモチーフは、宝塚大劇場・宝塚バウホールです。
歌劇の本家本元、宝塚歌劇団のお膝元であり、こちらがモチーフとなるのは必然と申せましょう。

一つ面白い点は、モチーフとなる大劇場の年代が2014年の改装以前のものであること。
青緑のエントランスゲートや入口の左右にある3つに分かれた照明灯に、その面影があります。
現在のエントランスゲートはスパニッシュ様式であり、照明灯はひし形です。

Googleのアーカイブに改装前のもの改装後のものがありますので、
リンク先で見比べていただくと、その違いが分かりやすいかと思います。
この改装は宝塚歌劇100周年(2014年)を記念して行われたものなのですが、
劇中の華恋たちの年次が聖翔音楽学園99期生(宝塚音楽学校で言えば2011年入学組)であることに鑑みると、
この年代設定は多分に意図的なものであり、美術背景スタッフの芸の細かさに舌を巻きます。

想像を逞しくすれば、アニメーション版スタァライトの現在時点は99期の2年次:2012年〜2013年であり、
アニメーションの最後では5年後(2018年、放送現在)の彼女たちが描かれるのかも知れません。
劇中で描かれている機器(例えばスマートフォンの全年代利用率は2013年に50%を越える)や、
劇中背景(例えば東京スカイツリーは2012年5月開業)とも矛盾せず、5年前説は現時点ではあり得る想像です。
ミュージカル版との整合を考えると、穿ちすぎかも知れませんが・・。

通学途上の景色:小金井公園周辺
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99期生が入居している学生寮「星光館」からの通学路も実在の景色です。
上のスクリーンショットは小金井公園の南東角。
Googleストリートビューからご確認いただけます。
(以下、別記なき限り、リンクはストリートビューへのものです。)


学生寮"星光館":東京都杉並区南荻窪4丁目32付近
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星光館(左上の画像)の位置については、1話・2話・3話からは決め手が見つからず、なかなか特定できませんでした。
しかし4話において、最寄り駅が荻窪駅であることが明らかになり(後述)、手がかりが見つかりました。

あとは芋づる式に絞っていくことが可能です。
右上の画像:寮の入口で二人を待っていた露崎まひるの視点。寮からは川と橋梁が見えている。→荻窪駅付近の川は「善福寺川」が代表的。
右上及び左下の画像:橋のたもとには第三〇〇ビルという建物があり、かつコンビニがある。→この二つの条件を満たす橋は「界橋」のみ。
右下の画像:星光館は、橋を渡って坂を登った1つ目の交差点の南西角に所在する。→該当する街区・地番は南荻窪4丁目32。

ストリートビューで見てみると、そこに存在するのは民家の様です。
星光館を思わせる洋館は存在せず、和風のお屋敷がそびえています。
しかし、左上の画像に見られる様な植え込みや交差点角の樹木の形を見ると、形状をモチーフにしたことが伺えます。
(※なお公共施設ではなく純然たる民家であると思われます。巡礼はおすすめ致しません)


第四話「約束タワー」に至る道
第4話「約束タワー」では、約束のタワーに至る二人の会話劇が描かれます。
ここにいう約束のタワーとは一目瞭然、東京タワー(高さ333m)のことですが、
その塔に至るまでの二人の足跡も、現実の東京都の景色の中で展開されています。
こちらについて詳述いたしましょう。

朝、起床した愛城華恋は、星光館に神楽ひかりの姿が無いことに気が付きます。
あわてて寮中を(ボイラー室まで)探し回るもひかりの姿はどこにも無し。
そこでひかりを探すために、外出することを決めます。

外出に学校の許可を要するあたり、(物語上のモチーフになったであろう宝塚音楽学校を含む)寄宿学校らしさがあって興味深いところです。

華恋の向かった先はJRの荻窪駅。
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はじめに寮から程近い荻窪駅の南側・西口の階段を登りますが、ひかりは見つかりません(左)。
ひかりから送られた写真を頼りにボルダリングジムB-PUMP荻窪店を覗きますが、これもハズレ。
荻窪駅北口のルミネ前で、写真に写っているものが水族館のクラゲではないかと教示を得ます(右)。

荻窪から近い水族館といえば、池袋のサンシャイン水族館(施設HP)
輪るピングドラムでも重要な場面となった屋上水槽のある水族館です。
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華恋はサンシャイン60へ向かいますが、ひかりは池袋を発った後でした。
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次なる写真は、品川のしながわ水族館(左)。
品川アクアパークの方ではなく、サンシャイン系列のしながわ水族館です。
トンネル水槽がきれいな水族館ですが、
いつの間にか、ひかりは東京スカイツリー隣接のすみだ水族館に移動していたのでした(右、グッズショップ)。
右端のぬいぐるみに見られる様に、こちらはチンアナゴの展示で知られています。

品川・墨田間の距離は約15km。
二人は東京の南と北に分かたれてしまいました。
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しながわ水族館最寄りの京急電鉄・大森海岸駅の品川側ホームで途方に暮れる華恋(左)。
一方、ひかりは墨田区から台東区へ、隅田川にかかる吾妻橋の南側歩道を歩いています(右)。

ついに繋がる電話。
ここから二人の接近劇が始まりました。
離れていた年月を埋めたてる様に、貪る様に会話を進める二人。
心理的な距離の縮まりを象徴する様に、二人の物理的な距離も確実に縮んでいきます。
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浅草寺の境内を散策し、仲見世の木村屋本店で、焼き立ての人形焼を買い求めるひかり(左)。
その後、浅草演芸ホールの前を通って、東京タワー方面へ南下していきます(右)。
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一方、華恋は品川区の桜新道交差点(南大井交番前)の四つ足歩道橋を渡り(左上)、
大井水神公園の北東角交差点を越えて(右上)、JR東海道線の高架下 を抜けて(左下)、
丸みを帯びた望楼が印象的な高輪消防署二本榎出張所のある高輪警察署交差点まで北上しました(右下)。

あと10kmです。
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ひかりは上野駅正面玄関口のペデストリアンデッキを経て(左)、
秋葉原の神田ふれあい橋へと南下を継続(右)。
あと7kmです。

ここからの二人の行動には、若干の迷いが見られます。
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華恋の場合、まっすぐ北上すれば良いのですが、西へそれてしまい、
五反田の池田山公園(品川区HP)(右上が公園のあずまや、右下が公園の石橋)を経て、
中目黒の目黒川にかかる橋(おそらく天神橋)まで進んでしまいました(左)。
とはいえ、橋をわたる方向は東向きで軌道修正に成功しています。
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ひかりの場合、まっすぐ南下すれば良いのですが、東へそれてしまい、
月島のもんじゃストリートへ到達し、顔ハメ看板に人形を入れていました(左)。
この顔ハメ看板(もんじゃ太郎)は実在のものです。
とはいえ、そこから西への軌道修正に成功しており、
浜離宮恩賜庭園(右上が小の字島の藤棚、右下がお伝い橋)を経て芝方面へと向かっています。
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そして、都営大江戸線・赤羽橋駅の赤羽橋口を東進し(左)、
東京芝・とうふ屋うかい前の急坂を登って(右)、東京タワーへ。
約束の場所はもうすぐです。
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言わずとしれた東京タワー。
劇中では東京タワー水族館の営業は20時で閉館となっていますが、現実には19時です。
東京商工リサーチの報道によれば賃料未払いにより閉館の危機にあるとか。
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そうして二人は語り明かす。
華恋とひかりが腰掛けていたベンチも実在しており、芝公園のびのび広場にあります。
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つまり、こんな構図や・・・。
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この格好良い構図も(撮影機材いかんによっては)再現可能であり、ちょっと見てみたい気がいたします。

4話の筋書きをシンプルに捉えれば「離れていた二人が話し合うことでお互いを取り戻す」という点に尽きるのですが、
その距離感の変化を、会話劇とともに東京23区の地図を添えて楽しんでみると、より楽しみも深まろうかと思います。
そんなロケーションファインディングのお話でした。

第六話 香子の動線
第6話では香子の退学騒動が描かれますが、その中で香子は「だらだら遠回りしてきたの、分かってんだぞ!」と双葉に言われます。
実際、香子の退寮後の行動は「だらだら遠回り」しているのです。彼女の動線を見てまいりましょう。
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例えば、香子が「(双葉は)追いかけてなんか・・・こうへんわ・・」とつぶやく場所はJR荻窪駅の新宿側ホーム。
東京から京都に向かうには当然のコースですが、彼女が佇んでいる場所がミソです。
彼女は、中央快速線の側(2番線)ではなく中央・総武各駅停車線の側(1番線)に立っているのです。
番線についてはJR東日本の公開している駅構内図を見ていただくと分かりやすいのですが、より早く移動できる快速列車よりも鈍行列車を選ぶあたり、香子の逡巡が現れています。
ちなみに左奥に見えている階段は、4話で華恋が登っていた駅南の西口階段です。
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そして東京駅で東海道新幹線に乗り、実家のある京都へ向かおうというシーンでも、演出は継続しています。
左側の画像では「のぞみ」1341号新大阪行が描かれていますが、停車駅欄を見てみると「各駅」となっており、
最優等列車である「のぞみ」では考えられないダイヤ組みとなっています。
自由席車両の多さも「こだま」並みです。

更に右側のホームの画像と、奥に見えるガラス張りのサピアタワーとの位置関係を総合すると、
香子が立っているのは(左側の画像にあるような)18・19番線ではなく、
現実の東京駅12時13分発「のぞみ」341号の出発する16・17番線や、「こだま」「ひかり」の発着ホームとして多用される14・15番線のホームであると思われます。
表示よりもより学園に近い西寄りのホームに立ち、「のぞみ」とは信じがたい鈍足列車に乗ろうとする香子。
こんな微細な部分にも演出が潜んでおり、その細やかな努力に、雨垂れ石を穿つ、という格言を思いました。

第八話:ロンドン聖地巡礼
第8話では神楽ひかりのイギリス・ロンドン在住時代の話が語られますが、そのロケ地を追ってみましょう。
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まず、ひかりの通う王立演劇学院は 、現実世界におけるRoyal Academy of Music(王立音楽院)。
リージェンツ・パークの南側に位置し、建物もそのままです。
実際に舞台科が存在しており、ロンドン大学の一部を構成するエリート校でもあります。
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ひかりはロンドンにおけるレヴューに参加しますが、
このレビューにおいて「星のティアラ」が掲げられるのは、
星摘みの塔(池袋の豊島清掃工場を思わせる)ではなく、ロンドンのタワーブリッジを思わせる橋です。
かの有名な民謡の影響でロンドン橋と勘違いされやすいのですが、跳開橋(可動橋)構造を採用しているのはロンドン橋ではなくTower Bridgeの方です。
なお、ひかりの通学風景に登場する「橋の袂のアイスクリームショップ」は実在します。

残念ながらひかりの寮(下宿)の位置は特定できませんでした。
この点、通学経路がタワーブリッジを渡った後に、橋の北西側のロンドン塔脇を通っていたことから逆算すると、
橋の南側、シェークスピア演劇発祥の地(グローブ座)が存在するサザーク・ロンドン特別区の中ではないかと思われました。
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ひかりがレヴューに敗れ、テムズ川の畔を歩きながらつぶやく独白。
「減っていた130g。いつものハンドクリーム一瓶。クロスタウンのサーモンサンド。マクベスの文庫本」。
たどり着いた場所は、ロンドン自然史博物館(Natural History Museum , London)です。外見もそのもの
劇中でも表現されていますが、中に入るとシロナガスクジラの骨格標本に圧倒されます。入場無料。


第十話:The Show Must Go On
第10話の前半では、レヴュー最終日を控えた舞台少女それぞれの生活が描かれました。
華恋とひかりは東京を散策。第4話の復習となりますが、経路を見てみましょう。
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まず二人は池袋のサンシャイン水族館へ(左上)。
次いで品川のしながわ水族館へと移動し、再びくらげを鑑賞します(右上)。
前回は営業時間を過ぎていて見られなかった東京タワー水族館へも入館することが出来(左下)、
お互いの髪飾りを購入した東京タワー・フットタウンのお土産屋さんにも行くことが出来たのでした(右下)。
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締めはやっぱり芝公園の「のびのび広場」。
幼い頃からの思い出の場所で語らい第10話の後半へ。「運命のレビュー」開演のブザーが鳴るのです。

※東京タワー水族館ですが平成30年(2018年)9月30日をもって閉館するとの公式発表がございました。
 舞台探訪・観光はお早めに。

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